専業主婦でも1年以上会社勤めをしていた人は要チェック

「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れるのは、年金保険料を10年以上納めていて、このうち1年以上、厚生年金(共済年金)に加入している人です。

また、男性は昭和36年4月1日以前生まれ、女性は昭和41年4月1日以前生まれです。女性が男性よりも5年遅くなっているのは、旧法で女性は55歳から年金が支給されていた関係からです。

たとえば、昭和36年4月2日生まれの女性のケースで見てみましょう。

大学卒業後、25歳までの3年間会社で働き、会社員の夫と結婚してそれ以降は専業主婦だったとします。この場合、62歳から65歳の手前までは、申請すれば「特別支給の老齢厚生年金」がもらえ、65歳からは、自分の「老齢基礎年金」「老齢厚生年金」をもらうことになります。

ただし、もらえるということを知っていても、申請しなくては、公的年金については「65歳からの支給分のみ」ということになってしまいます。

現在60歳くらいの女性で、1年以上会社勤めの経験がある人、かつ会社員の夫と結婚して専業主婦になった人は、結婚後、自分で年金保険料を払ったことがなく、「まさか自分が65歳前に年金をもらえるなんて思ってもいなかった」という人が多くいます。

写真=iStock.com/Edwin Tan
※写真はイメージです

ただ、こうした会社員の妻は、夫の扶養に入っている「第3号被保険者」といって、自身では保険料を支払っていなくても、夫が加入している保険全体で保険料を負担しています。なので、自分で年金保険料を支払っていなくても、65歳以降に年金をもらえる仕組みになっています。しかも少しでも(1年以上)会社勤めをしていたならば、65歳前の「特別支給の老齢厚生年金」ももらえますから、忘れずにしっかりと覚えておきましょう。

※特別支給の老齢厚生年金は、5年間遡って請求できるので、65歳時点で申請忘れに気づけばもらえる可能性もあります。