文春が探偵業者を直撃すると…

「それから約二時間後、A子さんが退店すると、一人の男が再び尾行を開始。自宅近所に先回りし、帰宅するシーンを動画で撮影する。一方、もう一人の男は時間差で退店した男性二人を車内から動画で撮影していた」(同)

その後も文春編集部は、探偵協会の関係者などへの周辺取材を重ねて、この男2人は関東一円に拠点を構える探偵業者Yに所属していることが判明したというのである。

その後も、文春によると、A子さんへの尾行は執拗を極めたという。

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文春は、探偵業者Yの担当者を直撃している。

「――彼女は尾行を嫌がらせと認識している。もし被害を受けたと訴える女性に対し、松本さん側が探偵に監視させ、彼女の生活を脅かしていたとすれば問題ではないか。

『今初めて聞いたので、驚いているっていうのが本音です』

そして、担当者は次第に後悔の色を滲ませた。

『そうした事情を知った以上、今後は受けない形にします。僕らもトラブルはご免というか、巻き込まれたくないので。僕らはもちろん“嫌がらせ屋”でも何でもないので。もちろん、社会のルールに則って行動しているので、そういった事実を知った以上はちょっと問題があるかなと。それを知っていて受けていたら逆に問題かなとは僕は思うんですけど』」(同)

「反対尋問が成功しないことを自ら認めている」

A子さんに対する尾行・つきまとい行為について、ジャーナリストの伊藤詩織氏の性加害問題で代理人を務めた佃克彦弁護士に見解を求めると、こういったそうだ。

「裁判による真実解明を阻害する悪質な行為であり、本当にアンフェアです。松本氏側は自ら裁判を提起しながら、相手方の立証を妨害している。たとえ松本氏側にとって敵性証人でも、松本氏側は反対尋問をすることによって、真実に近づくことができます。

松本氏側の対応は自分たちの反対尋問が成功しないことを自ら認めているようなものであり、自分たちの主張に自信がないということを露呈している。一般的に、裁判の過程で探偵に依頼する場合はその費用は依頼者が負担します。依頼者(松本氏)の承諾もなく、代理人(田代氏)が独断で探偵を雇うことは考えられません」

吉本興業に取材を申し込むと、「裁判に関することは代理人に一任しております」と答えたが、松本の代理人である八重洲総合法律事務所の田代弁護士は期日までに回答しなかったという。