自分の小さな変化に気づけるか

自分を大切にするという意味では、日常生活のルーティーンが効果的だと思います。毎日決まった所作や動作を繰り返していれば、小さな変化に気づくからです。

私の場合は、ご本尊さまの前で行う朝のおつとめが健康管理のバロメーターになっています。これが50年以上ほぼ毎日つづいているモーニング・ルーティーン。ですから、その日の朝の第一声で今日の調子がだいたいわかります。

声がポーンと透き通って出ると、「おっ、今日は調子がいいな」と感じますし、少し喉がガラついた感じだと、「おや、今日は少し用心したほうがいいな」と思います。

また、朝食の梅干しを食べたとき、あまり酸っぱく感じなければ、体調が思わしくない日です。味覚が鈍っているのは調子がいまひとつの証拠です。

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自分の小さな変化に気づく人は、周囲の人の変化にも気づける人です。

「今日はちょっと風邪声だね。気をつけたほうがいいよ」、「顔色がすぐれないようだけど、体調が思わしくないの」などと声をかけられます。

さらに、「あっ、今日のネクタイ素敵ですね」と、こんな気づきの声かけもできるようになります。

最初に使うお金、時間、労力はすべて将来へ向けた生きた投資

損して“徳”取れ――最初の一歩を踏み出せないときの対処法

新たに何かをはじめようと思ってもなかなか踏ん切りがつかない、こんなところで立ち止まって迷っていられないことはわかっていても一歩を踏み出す勇気が湧かないことがあります。

その根底には、もしも失敗し、お金、時間、労力などの損失が生じてしまうのが怖いからという思いがあります。

企業経営でいえば、このタイミングで成長株の事業に投資すれば会社の業績は上向くだろうと感じていても、目先の数字が落ち込むことから投資に舵を切れないといったケースです。

オーナー社長ならある程度思い切って決断できますが、サラリーマン社長は自分の代で損失を出したくないので、次の代にバトンタッチするまで現状維持でやり過ごそうという気持ちがはたらくでしょう。

プライベートでいえば、将来を見据えて英会話を習おうと思っても、授業料の高さや仕事の忙しさを理由に二の足を踏んでしまうというようなことです。

そこで、「損して得取れ」ということわざがあります。

将来、大きな利益を得るためには、目先の小さな損に気を取られず、長い目でものごとを見よ、という意味です。

成功への呼び水として、はじめに損をしろということではありません。最初に使うお金、時間、労力はすべて、将来へ向けた生きた投資である、そう思えたら思い切って一歩を踏み出しなさい、ということです。

私は「損して取れ」という気持ちが社会にもっと広がればよいと思います。「得」ではなく、功徳の「徳」です。自分のためばかりでなく、人のため社会のために積極的に取り組む姿勢がよい社会をつくっていくはずです。