大学時代からの憧れ「パリに住む」体験ができた

ちなみに、先程のワーケーションの例ですが、私は具体化してみたところ、「温泉に行って、ワーケーションか。老後でいいかなぁ」と思ってしまいました。そこで、もっとワクワクする具体化案を考えてみました。

「8月の3週間、友達の住んでいるヨーロッパに行って、ワーケーションをしてみよう」

こう具体化したときに、私ははじめてワクワクできました。いや、ワクワクを通り越して、考えただけでドキドキしはじめたのです。何しよう! どこに行こう! どんな毎日を過ごそう! と、具体化したいことが一気に花が開いた瞬間でした。それと同時に、じゃあいくら必要なのか? 仕事の調整はどうするのか? ということも考えるなど、実現に向けて行動しはじめました。

結局、私が決めたのは、「パリで、2カ月の長期滞在ワーケーション」でした。これが最もワクワクしたのです。具体化することで大学生のときからの憧れだった、「パリに住む」体験ができました。

振り返りでは、抽象化スキルで見つけ出した関心や望みをどんどん具体化して、行動していきます。抽象化スキルと具体化スキルをいったりきたりすることで、その効果はより大きくなっていくのです。

写真=iStock.com/saiko3p
※写真はイメージです

具体化するための6要素「4W1H+予算」

具体化とは、行動に落とし込むことです。

ノートに書いた具体的な記録を見て、行動してみたいことを思いつく場合もあるでしょう。もしくは、抽象化したことから、何か行動してみたいことを思いつく場合もあると思います。どちらでも構いません。

具体化の大切なポイントは、「今すぐに動けるまで落とし込む」ことです。

行動が早い人は、この具体化が得意です。具体的になっていると、動きやすくなるからです。

やりたいことがあるのに全然行動できていない方、いつまでも夢が実現されない方は、根性論にまどわされずに、ぜひこの具体化スキルを鍛えてみてください。

具体化するには、5W1Hならぬ「4W1H+予算」に落とし込んでみましょう。

When(いつ?)
Where(どこで?)
Who(誰と?)
What(何を?)
How(どうやって?)
How much(いくらかかる?)

この4W1Hをクリアにすることで、具体的になり、動きやすくなります。

「いつ?」は日付まで決めてみましょう。

「どこで?」は、エリアをできるだけ細かくしてみましょう。

「誰と?」は、固有名詞を入れてみてください。

「何を?」と「どうやって?」は、自分がどう動けばいいのかが、はっきりとイメージできるまで落とし込んでください。