「就職市場」に起きている変化

「ビッグ4」などの総合コンサルの採用大学は、2010年代までは「旧帝大・早慶まで」といわれており、MARCH以下の学生はなかなか内定に至らないシビアな状況にあった。

ところが、近年エリートの牙城であった総合コンサル就職市場に変化が起きている。

アクセンチュアやベイカレントといった「総コン」たちは、玉石混交系の大量採用企業へと姿を変えつつあるのだ。

「民間就職への意識が日本一高い」と言われている慶應義塾大学の最新の就職先企業ランキングを見ていこう。2023年度のトップ5の顔ぶれは以下のようになっている(図表1)。

慶應義塾大学「就職・進路データ」を基にプレジデントオンライン編集部作成

10年前には大手金融が就職先上位を独占していたものだが、今ではすっかりコンサルに取って代わられていることがわかるだろう。

MARCHからアクセンチュア、デロイトに就職できる

現役の学生に聞いても、近年は超難関企業を狙う学生が「練習台」としてベイカレントやアクセンチュアなどの選考を受けているという。まさに2010年代の大手金融の立ち位置である。

中でも特に積極採用を行うアクセンチュアには今年、早稲田・慶應から各100人ずつ就職し、東京大学、京都大学、大阪大学、北海道大学からの就職者トップにもアクセンチュアが君臨した。2015年に約6000人だった社員数は、2024年3月1日時点で約2万3500人と、約9年で4倍に成長。単純計算で毎年2000人ずつ採用している計算になる。

早慶にとどまらず、コンサル大量採用の波はMARCHにまで波及してきている。

明治大学の最新の就職データを見てみると、アクセンチュアに38人、デロイトトーマツコンサルティングに17人の就職者が出ており、立教や青山学院からも少なくない数が総合コンサルへと進路を確定させている。

また中途採用では、MARCHにとどまらず日東駒専卒の社員も増えているという。

「コンサルは旧帝早慶まで」という暗黙の常識は覆ったのだ。