「輩」が増え、週末は閉鎖されるように

大黒PAは近年、土曜日は毎週、最近では金曜日の夜も閉鎖されることが増えてきた。駐車場が混んで爆音空ぶかしのランボルギーニなどの「輩」が増えてくると、大型車枠に止める改造車が増え始める。

撮影=加藤博人
ド派手な電飾で注目を集める改造車。PA内なら問題ないがこれで公道走行は違反となる

この状態になると通報を受けて神奈川県警のパトカーが「追い出し」にかかり、最終的には「閉鎖」となる。なお、閉鎖で締めだされるのは一般小型車のみ。大型車は対象外だ。

撮影=加藤博人
PA閉鎖が始まると、首都高のパトロールカーが出動してPAからの退出を促す

閉鎖といってもトイレやEV充電器の利用は可能で、その際、大黒PA内にあるローソンで買い物する程度は許されている。PA入口の係員かパトカーの警察官に告げれば中に入ることができるが通常の駐車スペースに停めることはできずローソン前のスペースに停めるよう案内される。

閉鎖時間は午後8時半ごろから長いときには翌日午前2時ごろまで続き、朝になって開放というケースも珍しくない。午後8時半ごろから閉鎖が始まるのは、午後9時に閉まるフードコートの営業に影響しないようにという配慮もある。

日本車人気に合わせて外国人観光客が増加

大黒PAをオープンから35年見てきた筆者の印象だと、大黒PAに外国人観光客(以下、外客)が集まるようになったのは2016~17年ごろからである。

それまでも、Yナンバーを付けた米軍基地所属の個人車両を見かけることは珍しくなかったが、日本に観光で訪れた外国人が大黒PAに増え始めた時期と、海外で日本車(JDM)人気が急拡大し始めた時期は重なっていると思う。

撮影=加藤博人
駐留する現役の米軍関係者やその家族が使う私有車を示す「Yナンバー」車両も多数。

JDMとは『Japanese Domestic Market』(日本国内市場)の頭文字で簡単に言うと、「日本オリジナルの車や車に関連する装備やグッズ類やルール」を意味する。「右ハンドル」に始まり、「前後オレンジ色のウインカー」(米国では後ろは赤が基本)や「サイドバイザー」「水中花シフトノブ」「車検ステッカー」に至るまで、日本独特の装備や仕様を総称した言葉だ。

狭義では、25年ルール(※)の適用によってアメリカに輸入が解禁された車のことをJDMと呼ぶ。

※25年ルール:製造年月日から25年が経過すると米国保安基準(FMVSS)の適用なく、右ハンドル車であっても米国への輸入が可能となる。