入浴の1時間後くらいに眠気が生じる

7 入浴で睡眠の質をよくする

湯船に浸かった瞬間、あまりの気持ちよさにため息が漏れるのは、交感神経の刺激で長時間興奮していた体が、副交感神経に切り替わったことで急速にリラックスするからです。ただ、お風呂に入ると必ず体温がいったん上がります。そして、入浴後約30分以降から1時間ほど経って体温が下がると眠気が生じます。この生理現象を有効に利用して、入浴で上昇した体温が下がるタイミングで床に入れば自然な入眠が可能です。

8 就寝前の読書で眠りを誘発

就寝前に読書をすると気持ちが落ち着きます。ただし、布団に入って横になって本を読んではいけません。ベッドなら背板にもたれた姿勢で、畳なら布団の横に座椅子を置いて座って本を読み、眠気が出たらすぐ布団に入ります。この行動を毎晩繰り返すと、やがて本を開いただけで眠くなります。

9 寝室の温度と明るさ

医療機関の睡眠検査室はたいてい温度22~24度、湿度50~60%、照度3ルクス以下に設定されています。高温多湿の部屋ではレム睡眠が減って、覚醒が増えることが報告されています。寝室の照明はできるだけ暗くしたほうが安眠しやすくなります。常夜灯を点けて就寝する人がいますが、薄暗い光でもまぶたを通して目に入ってくるので消灯したほうがいいでしょう。

10 寝る姿勢は側臥位

就寝中に適度に寝返りをうち、できるだけ側臥位そくがい(横向き)になることをお勧めします。その理由は、仰臥位ぎょうがい(仰向け)は睡眠時無呼吸を生じやすいからです。医学的には10秒以上息が止まる状態を無呼吸といいます。1時間あたり5回以上の無呼吸があると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。