「社風に合うか」を見抜くための質問
社風というのは、なかなか言語化、定量化しづらいものです。また、「当社は社長も含め、重役も部長も課長も若手も、みんな『さん』付けで呼び合う風通しの良い文化です」と、求人広告でPRしたとしても、たとえば儀礼的に「さん」付けで呼んでいるだけで実はパワハラが横行しているなら、風通しが良いとは到底言えません。
したがって、「こんな会社だと知ってたら入社しなかった」となりかねないと思われる、自社ならではのネガティブ要素に目を向けて、事前に確認するのが間違いないやり方です。
次のような質問が有効となります。
OK!
②「当社は大半が職人気質で、既存の社員達から認められないと、やっていくのは難しいのですが、大丈夫ですか?」
③「当社には、いわゆるお局さん的な存在がいますが、そのような方の下でもやっていけますか?」
①強制しなくても、こうした組織風土がそもそも「無理!」という人も一定数います。
②簡単には「大丈夫」とは回答しづらい、かなりハードルの高い質問です。ただ、自社の社風がそうなら、ごまかさずにきちんと確認して入社の覚悟を問うべきです。
③ここも②と同じです。「お局さん」を「部下に厳しい部長」「細かい報連相を求める課長」など、自社なりに置換してください。自社にいるそうした既存社員を軸に、その部門を運営していく方針なら、事前にこのようにきちんと伝えておくべきです。
配属先や上司と合うかを見るには
中小零細企業ゆえに、「採用後はこの部門のこのポジションに配属する」と決めているケースが大半でしょう。
たとえば「社長とは相性が良く高評価で採用したが、現場ではソリが合わず短期退職」というのは枚挙にいとまがありません。実際に一緒に働く現場の職員を面接に参加させるやり方を推奨します。
それに加えて、次のような質問が有効です。
OK!
②「配属先の仕事は、閑散期と繁忙期の差が激しく、月単位で勤怠が大きく違いますが、そうした勤務体系は大丈夫でしょうか?」
③「配属先のメンバーは皆、あなたと年が離れていますが、やっていけますか?」
④「配属先の上司は、面倒見が良い反面、厳しい指導で知られていますが、やっていけそうですか?」
①配属予定先の部署に自社特有のものがあれば、先回りして伝えておき、その覚悟を問います。
②ここも①と同じで、配属先の働き方に特徴があるなら、大丈夫かを事前に確認しておきます。
③ここも①②と同じで、職場の人員構成や雰囲気を事前に伝えておき、やっていけるかを確認します。
④業務上、最も関わりが出てくるはずの上司の特徴を伝えて、やっていけそうかを確認します。