留学していなくても伸びしろが大きい人もいる
一般的に、英語圏で高校を卒業して、それから大学も卒業したということであれば、それなりの語学スキルはあると考えられます。
しかし大学から留学した人などは、卒業する段階になっても、学生っぽい日常会話ができる程度で、読み書きにいたっては、ほとんどNGという人も、実は非常に多いのです。
その一方で、日本の大学生で、留学経験はないか、ごく短期間の経験しかない人でも、基本をしっかりと押さえていて、伸びしろが大きく、今後かなりの上達を期待できる人もいるのです。
このくらいお伝えすれば、十二分におわかりいただけるのではないでしょうか。
語学のスキルを売りにして求職する際には、「留学していました」は、必ずしも必要な要件でもないのです。
グローバル人材は常に不足している
さあ、それでは「留学していました」は、海外業務にたずさわりたい人にとって、まったく売りにならないことなのか。
実はそういうことでもありません。
ここまでシビアな話をしましたが、あなたが(海外業務にたずさわってはいないが)すでに会社に雇用されている立場であれば、海外で暮らしていたとか、留学していたというのは、海外業務に抜擢されるにあたって、大きなアドバンテージとなります。
私も深くたずさわっている製造企業の(特に)生産現場で働く人たちを例に挙げれば、海外業務で活躍できる語学スキルを持つ人材は、常に不足しています。
海外の製造拠点で働きたいという人材も少なく、グローバル人材の確保に苦労している企業は少なくありません。
生産業務で経験を積んでいて、相談者の方のように、やる気も語学スキルもある人材となれば重宝されるでしょう。
採用面接に挑んだ会社で、海外事業にたずさわるのは「数年間、国内業務にたずさわってから」「必ず海外業務を担当できるかは定かでない」といった意味のことを言われるのは、まるでおかしいことではありません。
まどろっこしい返答に聞こえ、そんな返事では入社を決意していいのか判断できないと感じるかもしれません。
しかし、その返答自体は正直で、しかるべきものと言えるでしょう。