「逆に問います。そこに詳しくなってどう戦う?」

①経済指標は学ぶ必要なし

ISM製造業景況指数、ISM非製造業景況指数、FRB政策金利、雇用統計、小売売上高、GDP、CPI、PCE……など米国だけでも経済指標は多数あります。日本でも、日銀金融政策決定会合、日銀短観、GDP、消費者物価指数などがあります。これらは、株価に影響をおよぼします。

しかし、これら経済指標に詳しくなる必要はありません。私はぜんぜん詳しくありません。経済指標の知識の有無は、個人投資家の成績をほぼ左右しないと思います。そこにリソースを使うのは無駄とさえ思っています。

株価に影響するのに学ばなくていい? 無駄? なぜ? と疑問を持たれるかたもいらっしゃることでしょう。

では逆に問います。そこに詳しくなってどう戦うのでしょう?

投資信託に積立投資しているなら、これら経済指標に詳しくなって何かプラスになるでしょうか? これらを予想したり、結果が発表されて瞬時に分析して、追加投資したりするのでしょうか? 追加投資するにしても、投資信託の価格だけを見れば対応できます。

個別株でも同じです。これら結果やこれら結果による株価の動きを正確に予想して、売買を仕掛けられるでしょうか? または、これら結果が発表されたら、プロより早く確認して、プロより早く分析して、プロより早く判断して、プロより早く株式売買をする……そんなことが可能でしょうか?

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無理です! 個人投資家がプロを相手に短期売買に挑んでも勝てません。プロを相手に富の奪い合いになるので厳しい世界です。それが可能なのは、時間も能力もあるごく一部の限られた人だけです。普通の個人投資家がそこで戦ってはいけません。

よって、投資信託に積立投資して放置する。もしくは個別株投資なら、優良企業を探し、長期保有して、企業の成長とともに株価上昇や増配を狙うのです。この長期投資によって企業価値に寄り添い、みんなで儲けるやり方こそ再現性が高いといえます。

ゆえに、経済指標を学ぶ必要などないのです。そこにお金を出して時間を使って学んでも、費用対効果は極めて低いといえます。