「復讐したい」は自意識を傷つけないための言い訳

彼女たちは、カウンセリングのときも同じような傾向を見せる。一見クールで、相手に未練などないかのように振る舞う。別れを告げられた相手とやり直したくて、復縁相談までしているという状況が、すでに自意識を傷つけたはずだ。だから相談内容も似ている。

自分にはまるで落ち度はなく、何もかも相手が悪いと話す。そんなケースもなくはないだろうが、たいていの恋愛は双方に過失がある。こうした過度な自意識は、相談に来た理由に如実に表れる。「やり直したいわけじゃなくて、復讐をしたくて来たんです。あの人は本当にクズなんです」。本当は相手とまた付き合いたいのに、これを認めると自意識が傷つくから「復讐したい」「見返したい」と言い訳するのだ。だから、僕はこう答える。「復讐はするにしても、もう二度と会わなくていいということですよね?」。依頼者はあわてふためいて支離滅裂になり、「完全に切るのはちょっと……。相手がすがってきたら考え直してみてもいいかな、って」。

多くの人が「お金」に対しても似たような態度をとる

僕がカウンセリングを担当したある女性は、自意識のせいで30歳まで恋愛を台無しにしてきた。せっかく自分にすべてを捧げてくれる男性と恋愛を始めても、不慣れなせいで関係を壊してしまう。「恋愛上手になる方法」といった記事を見かけても、「こんな記事はみじめな女が読むもの」と考えて知識を吸収しようとしない。自分が関係を壊したにもかかわらず、ひたすら相手のせいにする。そして、恋愛にトラウマがあるからと誰とも付き合おうとしない。無意識下では、いい男との出会いを望んでいるが、回避を繰り返す。

多くの人が「お金」に対しても似たような態度をとる。お金が欲しいと強く望んでいるのに、「重要なものじゃない」と言う。自分の給料が少ないことを「社会がおかしい」と非難する。お金を稼ぐ方法を目にしても「品がない」と切り捨てる。過剰な自意識のせいで、あらゆるチャンスを逃してしまう。

関連記事
人生で最も大切なものは「お金」…海外移住した韓国人が、母国に帰ってドン引きした「韓国人の拝金主義」
いまの若者は「結婚できない中年男性」と同じ不幸を抱えている…若者の婚姻数が激減している本当の理由
「3年続けなさい」は無視していい…精神科医が「我慢しないで逃げる人こそツヨツヨ」というワケ
一度も彼女ができない理由は「顔と家族」…上場企業勤務で年収1000万円の30歳男性が悩む「生きづらさ」の正体
「お金が貯まらない人の玄関先でよく見かける」1億円貯まる人は絶対に置かない"あるもの"