「目先の株価変動を気にすることは時間の無駄」
⑦投資に期限を設けない
成功の7つ目のカギは、「投資に期限を設けない」ことだ。これは、⑥の「予測に左右されない」投資手法の実践である。
よくお客様から「長期投資の期間とは何年をいうのですか」と質問を受ける。答えとしては、景気サイクルがある程度循環する「10年以上」などが一般的かもしれない。
僕の答えは、「投資に期限を設けない。投資の期間は無期限である」。なぜなら、投資する会社は、持続的に成長する経営努力を続ける限り、その実態としての価値の増幅に「終わりはない」からだ。
投資につきまとう不安感を解消するためには、何よりも長期の視点を持つことが欠かせない。
「今後10年間、株式市場が閉鎖しても喜んで持ち続けることができる株式を買いなさい」
これは、世界的に著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏の言葉である。
このメッセージには、次の3つの意味が込められている。
2.(目先の業績ではなく)10年後に価値が高まっている会社の株式に着目し、投資する。この間の株価変動を気にすることは、時間の無駄である。
3.リターンの元となる投資する会社の価値は、「時間をかけて」成長する。
「投資に期限を設けない」、このことを心に留めて投資に向き合いたい。
人格を高めることが投資の成功につながる
⑧投資観を持つ
最後に、投資で成功する8つ目のカギは、意外に思うかもしれないが、「誠実であり、謙虚である」ということだ。「一貫した投資姿勢を保っていること」、そして、それを実践するために「自分なりの投資観(軸)を大切にする」ことである。
投資には、必ずその人の価値観や人生観が映し出される。あくせくする人は投資でも右往左往して失敗するし、謙虚さに欠ける人は、欲と驕りで足元をすくわれる。「変化に動じない投資観を持つ」ことは、自分らしい投資観を持つことであり、それを磨くものは、つきつめれば、謙虚さと感謝の精神ではないかと思うのだ。
投資観というと少々大げさだが、「コツコツと資産形成に取り組む」と心に決めることも立派な投資観といえる。
「偉大な投資家になるためには、金儲けのテクニックや知識を得るだけでは不足である。
個人としての人格を高め育てることを生涯にわたって続けることが必要なのである」
米国の独立系運用会社フランクリン・テンプルトンの創設者ジョン・テンプルトンの至言だ。
ではなぜ、「個人としての人格を高めること」が、投資の成功につながるのだろうか。