「複利効果」と「分散投資の効果」
③経済法則を利用する(複利と分散)
成功する第3のカギは、2つの経済法則をじょうずに使うことだ。
経済法則の1つ目は、「複利の効果」である。
会社の「価値」は、時間の経過とともにその増幅額がふくらむ。投資先の価値が高まると見込まれるものであれば、じたばたせずに放っておけば、雪だるま式にリターンは高まる。図表2のシミュレーションのように、同じ年率リターンでもお金の増加額は年を重ねるごとにふくらむ。
経済法則の2つ目は「分散投資の効果」だ。
お金を1つの投資先に集中してしまうと、予想が外れたときのリスクが大きくなる。そうならないように、異なる市場、異なる収益特性を持つ投資商品を複数組み合わせると、あなたの全体的なリターンは、より安定するのだ。
たとえばNYダウとTOPIXなど、異なる国の株式指数を組み合わせることで、リターンの上下の振れが小さくなり安定する(図表3)。
「複利」と「分散」、この2つの経済法則を利用すれば、投資は成功に近づくといえる。
「理性は友・感情は敵」
④感情を排除する
成功のカギの4つ目は、「感情を排除する」である。
世界情勢や経済情勢が目まぐるしく変化するなかで、投資で成功する人が実践していることをとことん突き詰めれば、この1点にあると言ってもいいのではないだろうか。
成功者は、その時々の感情に流されることなく、決めた投資方針に沿って淡々と投資を実行する。たとえば、金融市場の下落局面で、「さらに値下がりするのではないか」といった不安から保有する株式などを売却したり、株式相場が盛り上がってくると「乗り遅れまい」という焦りから慌てて購入したりするなど、感情に囚われて取引することはない。相場付きによって右往左往する投資家は、プロの投資家であってもよい成果を生むことはない。
「理性は友・感情は敵」だ。