「投資は金持ちがするもの」は誤解

①先入観をはずす

「投資は何となく怖い」「投資をはじめるお金がない」「投資はお金持ちがやるもの」。

投資をしようと思いながらなかなか踏み出せない人からよくこうした声を聞く。投資に二の足を踏んでいるあなたも似たような感情を抱いていないだろうか。

こうした人に多い「3つの誤解」を解いてみたい。

1.投資とは、「短期で利益を稼ぐ」ものではない。
「時間をかけて価値を増幅させる」ものである。
2.投資とは、「お金を貯めてからはじめる」ものではない。
 「少額からでも早くはじめる」ことがその効果を高める。
3.投資とは、「お金持ちだからやる」ものではない。
 「普通に生活する人だからこそ取り組む」ものである。

この「3つの誤解」から解放されることが、投資に成功する第1のカギだ。まずは小さな一歩を踏み出してみよう。

株価は価値に収斂する

②株価(価格)ではなく価値に投資する

2つ目のカギは、投資と投機を混同しないことだ。

投機とは、短期的な価格の値動きに着目して利ザヤを稼いだり、一攫千金を目論んで博打のように投資商品に手を出すことをいう。一方、投資は「実態としての価値」に着目し、その「価値」が長期的に増える傾向を見込むものだ。

図表1を見てほしい。左右にのびる一直線は、日本の株式市場に上場する会社の株主資本と配当金の増加率を累積で示したものだ。わかりやすくいえば、株主が得るリターンの源泉の推移である。これは、「実態としての価値」を示す1つの指標だ。

その1本の線を中心に、上下に変動をしながら推移しているのが、TOPIXの推移、すなわち株価である。

株価は、短期的には期待と不安で上下に変動するものの、長期的に見れば「実態としての価値」(業績)に収斂する傾向が見てとれる。

「株価は価値に収斂する」、これは法則といえよう。その法則に則り、「株価(価格)ではなく、価値に投資する」姿勢を持つことだ。