疲れの取れる7つの休養法
活力を高めるためには、あえて自分に負荷をかけることが必要です。その際のポイントは、「自分で決める」「仕事とは関係がない」「挑戦することで、成長できる」「楽しむ余裕がある」の4つです。
さらにいうと、肉体的なものと精神的なものの両方から、負荷をかけるとよいでしょう。もちろん、負荷のかけ方は、最初は軽いものから始めることが大事です。
それらを踏まえて、休養学では、休養法を「生理的休養」「心理的休養」「社会的休養」の3つのグループに大きく分け、さらに全部で7つのタイプを定義しています。
生理的休養は身体面から疲労を回復させる休養法で、「休息タイプ」「運動タイプ」「栄養タイプ」の3つのモデルに分類されます。そして、心理的休養は、精神面から疲労を回復させる休養法で、「親交タイプ」「娯楽タイプ」「造形・想像タイプ」という3つのモデルに分類され、社会的休養のモデルになるのは、「転換タイプ」という休養法です。
これら7つのモデルを日常生活の中で使い分け、上手に組み合わせて主体的に休養を取ることが、疲労回復には肝心といえるでしょう。
“自分で決めて休む”ことが大事
①休息タイプ
休息タイプは「寝る」という休養法のイメージに、最も近いでしょう。「休養」といえば、皆さんが最初にこれをイメージすると思います。
具体的には、ベッドで睡眠や短い仮眠を取ったり、ソファに寝そべってTVや動画を見たり、休憩を入れたりすることが挙げられます。
休息タイプは、心身の活動をいったん停止して、エネルギーの消費を抑える休養法。積極的な休養法に対して受動的で、「消極的な休養」ともいえるでしょう。マイナスのイメージを抱くかもしれませんが、実は、重要な休養法でもあります。
その大きな役割は、心身のエネルギー消費を極限まで抑え、活動を再開できるようになるまでエネルギーチャージすること。TVドラマでは、「過労」で倒れて、病院のベッドで点滴を受けたりするシーンがありますが、そうならないように、過労の手前で応急措置を取るわけです。
例えば、スマートフォンのバッテリーの容量が乏しくなると、ゼロになる前に充電しますが、それと同じことなのです。ただし、休息タイプの休養は、必要最低限にしましょう。
「寝だめ」をしようとしても、バッテリーでいう、「過充電」になるので、活力アップにはつながりません。それどころか、体がだるくなったり、活動する気力を失ったりしてしまいます。
週末に目覚めたとき、「寝不足」を感じるようであれば、睡眠時間を延ばしてもいいのですが、「つい眠りすぎてしまう」という人は、「目覚まし時計」をセットしたりして、適度な睡眠時間になるように調節してみるといいでしょう。受動的にゴロゴロとするのではなく、あくまでも能動的な睡眠を取ることが大切です。
疲労が解消され、「もう活動できるな」という状態になったら、休息タイプの休養から、積極的な休養法に切り替えましょう。