旧態依然とした間取りが多い
しかし、この点において不動産業界はまったく冒険的な提案をしてこなかったので、間取りは旧態依然としたものが多い。
昔の間取りに家族を合わせているだけでは面白くない。ペットが完全に家族の一員となったのだから、ペットの視点も不可欠である。
一部の海外では一般的になっているスケルトン販売方式で、内装は買い手がするという方法なら部屋の改造はやりやすい。
ただ、日本では中古市場に出す場合も「標準的な間取り」が好まれ、個性的な間取りになりにくい。貸すにしても借りるにしても、賃貸借契約終了後は原状の回復が求められることがほとんどだ。
一戸建てなら4階建て
最近は、売買の流動性に欠ける一戸建ての人気がないが、それは土地の選び方や使い方がいまひとつだからだ。
筆者が一戸建てを持つなら、4階建てにしたい。
車を持たず、1、2階とも、できれば3階まで貸家や店舗にしてテナントを入れるのだ。
「大家はそんなに楽じゃないよ」「狭い家には誰も入居しないよ」という意見もあるが、立地については住宅街を避ければそれは可能だ。
空き家にしないためには、4階建ての建築に制限がかかり得る第一種住宅専用地域など、住宅系の用途地域を候補から外すことだ。
おすすめは商業系地域の土地で、準工業地域でもよい。
そして、戸建ての住宅ローンはできる限りテナントに払わせるべきだ。私はこれを「自宅大家作戦」と呼んでいる。賃貸需要がある都市部では、一戸建ても高層化し、平屋低層の時代は終わる可能性もある。
4階建て分野は住宅構造や機能も進化しており、パナソニックなどが力を入れている。
「戸建ては4階建て」という新時代の常識を頭に叩き込んでほしい。
「閑静な住宅地でないとうるさくて住んでいられない」という人は、自分で住宅ローンを払い続けるしかない。
商業地域は「防犯上よくありません」などと業者が言うかもしれないが、住宅街こそ、防犯面でも不安が出てくる空き家が増えることは間違いない。
住宅街に土地ばかりか建物もセットで投資してしまうことは、おすすめできない。