時代遅れな男尊女卑のルールへの拒否感

これまでも、各種の世論調査で女性天皇を認めることへの賛成は7〜8割、またはそれ以上という比率が多く見られる。したがって、女性天皇を認めることは、大衆の気まぐれとか一時的なブームなどという見方は、当たらない。

なお、女性天皇に賛成した人たちに対して賛成の最大の理由を尋ねた回答は、「天皇の役割に男女は関係ないから」が50%、「過去には女性天皇がおり、海外には女性国王がいるから」27%、「男性に限る制度では、安定的な皇位継承はできないから」19%……という結果だった。

さらに、詳しく「女系」という概念の説明をした上で、「女系天皇」(※)によっての賛否を問うたところ、「賛成」(38%)、「どちらといえば賛成」(46%)の合計84%に対して、「どちらかといえば反対」(9%)「反対」(5%)が合計14%だった。

※女系天皇:母親が天皇だったり母方だけに天皇の血筋を持つ天皇のこと。たとえば敬宮殿下が即位される場合は、天皇陛下の血統に基づくので、「男系の女性天皇」となり、次にもし敬宮殿下のお子様が皇位を受け継がれるとしたら、その方は女性天皇である母親の血筋によって即位されるから、ご本人の性別に関係なく「女系の天皇」ということになる。

令和の皇室で「女性天皇」について問えば、多くの人はごく自然に敬宮としのみや(愛子内親王)殿下のご即位(いわゆる「愛子天皇」)の可能性を思い浮かべるだろう。

天皇・皇后両陛下は常に国民に寄り添って下さり、幅広い人々から敬愛の念を集めておられる。その両陛下のたったお一方の「皇女」でいらっしゃり、高貴かつお優しさにあふれた魅力によって、ますます国民の関心と好感度が高まる敬宮殿下。

その敬宮殿下が、ただ「女性だから」という“だけ”の理由で、皇位継承資格が認められない。

そんな明らかに時代遅れな男尊女卑のルールに対して、圧倒的多数の国民が拒否感を抱いている事実が、今回の調査で明らかになった。

「旧宮家養子縁組に反対」は74%

一方、すでに一般国民として80年近く生活してきた旧宮家系子孫男性を、皇族との養子縁組によって新しく皇族に加えるというプランも、政治の場では検討されている。

このプランは人々にどのように受け取られているか。調査結果はおよそ想定通りだった。

「どちらかといえば反対」(55%)「反対」(19%)が合計74%、「賛成」(7%)「どちらかといえば賛成」(18%)が合計25%。

しかも興味深いことに、「賛成」「どちらかといえば賛成」と回答した人たちの中でさえ、最大の賛成理由として皇位継承資格の「男系男子」限定という「伝統」(?)を「守る必要があるから」と答えたのは、ごく少数だった。わずか21%という低さだ。全体の25%しかなかった「賛成」のうちのさらに21%。ということは全体では5.25%にすぎない。

現代の普通の感覚をもつ日本人にとって、明治の皇室典範で初めて採用された「男系男子」限定という側室制度と“セット”だった不合理なルールは、さすがに受け入れられないことが分かる。

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