「日東駒専」附属校に受かるボーダーライン
中学受験では、保護者の中に「12歳で大学を確定させたくない」という意識が働くため、中堅私立大の附属校は選ばれにくいようです。しかし、大学進学が現実味を帯びる15歳になると、中堅私立大の附属校もリアルな選択肢に昇格します。
中堅私立大の代表格が「日東駒専」(日本大、東洋大、駒澤大、専修大)です。スペースの関係上、ここでは最大勢力である日本大学の附属校について見ていきましょう。
日本大学の附属校は全国にあまたあり、東京からの通学圏だけでも、日本大学高校・中学校(日大日吉)、日大櫻丘、日大鶴ヶ丘、日大豊山、日大豊山女子、日大藤沢、日大習志野、日大第一、日大第二、日大第三、目黒日大などがあります。高校からしか入れない附属校も多いため、日東駒専の附属校は高校受験が主戦場といえます。
進学ルートは大きく二つに分かれます。一つは内申点を活用した推薦や単願です。高校によって差はありますが、おおむね5科目オール4が合格の目安です。
もう一つは学力検査による一般入試です。これも高校によって差はありますが、Vもぎ偏差値58ぐらいの学力があると合格を目指せます。これは、3番手系都立高校の豊多摩高校、城東高校、上野高校、調布北高校と同じくらいの学力です。
「附属校に入れば安泰」とは限らない
大学受験ルートとも比べてみましょう。現在の日東駒専のボリュームゾーンは中堅系の都立高校です。豊島高校、石神井高校、広尾高校、深川高校、雪谷高校、小平南高校あたりをイメージしてください。
たとえば、Vもぎの合格者平均偏差値53の小平南高校は、国公立大、早慶上智理科大、MARCHに現役で上位約20%が進学しています。それに次ぐ学力層が、成城大、成蹊大、明治学院大などに、さらに続く中間層が日本大や専修大の日東駒専に進学します。
大学受験で日本大に行ける都立高校はVもぎ偏差値53、高校受験で日大附属校に行くには偏差値58前後。この偏差値「5」の差が、附属校であることの安心を買うコストです。
ただし近年、どこの大学附属校も、附属生の学力低下が問題化して、内部進学の基準を厳格化しています。入学後に遊んでしまった結果、内部進学基準に達せず、行き場を失った友人が泣いていたなんて話を卒業生から聞いたこともあります。高校で勉強をサボってしまうと、附属校でも痛い目に遭うので、お気をつけて。