韓国の野党と共同声明を発表

「風評払拭への努力が足りない」とは、一体誰のことか。

石垣議員の発言が党の方針とまったく異なるならば、公的な場で「党を代表して」発言した石垣議員には当然、何らかの処罰を行うのが妥当だろう。まして、科学的事実に反して国益をそこね、被災地を苦しめる誤解や、風評を助長させかねない発信ならばなおさらだ。

しかし、石垣議員が党内から公式に何らかの処罰を受けた様子は見られない。

そもそも立憲民主党は石垣議員のみならず、これまでも処理水に対する「汚染」喧伝活動に少なくはない議員が関わってきた。2023年7月にも日本共産党、社民党、れいわ新選組の議員らと共に韓国の革新系最大野党「共に民主党」と無所属の議員でつくる「福島核汚染水海洋投棄阻止国会議員団」の10人と会談した。

7月12日には、立憲民主党やれいわ新選組など野党議員8人及び韓国最大野党「共に民主党」の議員ら11人による共同声明まで発表した。

(以下、日本側から参加した議員8人)
◎立憲民主党
阿部知子 近藤昭一 篠原孝 原口一博 大河原雅子

◎れいわ新選組
櫛渕万里

◎社民党
福島瑞穂 大椿裕子

阿部知子氏に口頭注意があったのみ

この件について、立憲民主党の泉健太代表は同年7月14日の定例会見で、「党の政策として動いているとか、党の立場として動いているものではない」と述べた。

韓国野党との共同声明に署名した5議員に対する党執行部の対応は、記者会見にまで同席した阿部知子衆議院議員に対して岡田幹事長からの口頭注意があったのみで、他の4議員には何の処分もなかった。

立憲民主党の一部議員が、党の公式見解である「処理水」と異なる「汚染水」との表現を用いていることなどに関し、岡田幹事長は9月12日の記者会見で、「党で決まったことはしっかり守ってもらう必要がある」としつつ、「だからといって、個々の議員が(意見を)言えなくなるようなことにはしたくないというのが私の信念だ」と語ったという。

写真=iStock.com/takasuu
阿部知子氏に口頭注意があったのみ(※写真はイメージです)