「質問力」が結果を左右する
ChatGPTでは質問が必要だ。質問しなければ何も答えてくれない。
これまでの勉強は、そうではなかった。本を読むにしても、講義を聞くにしても、知識は押し出されてくる。つまり、「プッシュ」されてくる。
勉強するには、それらの知識を受動的に受け入れればよい。講義を受ける場合、座っていれば自動的に知識が得られる。それをノートに取るだけでよい。
これに対してChatGPTの場合には、勉強したい人がChatGPTに問いかけることによって知識を引き出す。
人間の家庭教師とは違って、ChatGPTは質問をしない限り答えてくれない。ただPCの前に座れば教えてくれる、というわけにはいかないのだ。
多くの知識を持つ人は有用な質問ができる
ChatGPTが何でも答えてくれるのであれば、人間は勉強しなくてもよいと考える人がいるかもしれない。しかしそうではない。
なぜなら、述べたように、ChatGPTから答えを引き出すには質問をする必要があり、どのような質問をできるかは、その人がどの程度の知識を持っているかによるからだ。より多くの知識を持っている人が、ChatGPTからより多くの答えを引き出すことができ、それによって、能力をさらに高めていくことができる。
また、強い好奇心が勉強を進めることは事実だが、興味の赴くまま闇雲に進んでよいわけではない。方向づけを誤ってはならない。正しい方向づけを知るためにも、知識の蓄積が必要だ。
こうしたことがあるので、ChatGPTとの対話からどれだけの成果を得られるかは、人によって異なる。
もちろん、これは、従来の勉強についても当てはまることだった。ただ、ChatGPTの場合には、その差が非常に大きくなるのだ。
したがって、良い質問をするために、勉強することの必要性はこれまでより増したということができる。