メタボ気味の人は加工された炭水化物を避ける

人工甘味料はどうだろう。私の患者には、カロリーの有無に関係なく、甘味料はすべて避けるようにアドバイスしている。

論理は簡単だ。カロリーゼロの甘味料を摂っていれば糖尿病や肥満が本当に減るというのなら、今日のように糖尿病や肥満がまん延することはなかったはずだ。

何十年と、様々な食品にこの人工物を加えてきた結果、得られたエビデンスはこうだ。人工甘味料は砂糖と変わらない。どちらも避けるべきだ。

■原則その2――精製された炭水化物を減らし、「天然油脂」を摂る

高インスリン血症と脂肪肝が、肥満をはじめとするメタボリック・シンドロームを引き起こす主因だ。食品群のなかで精製された炭水化物が最もインスリン値を高くするので、精製された炭水化物の摂取量を減らすのは理にかなっている。

たいていの加工食品は、この食品群の小麦、トウモロコシ、ジャガイモなどを使って作られている。

パン、パスタ、マフィン、ドーナツ、ポテチ…

精製された小麦を使って作られるパン、パスタ、ワッフル、マフィン、カップケーキ、ドーナツなどは避けること。ポップコーン、コーンチップス、トルティーヤ、フライドポテトやポテトチップスなど精製されたジャガイモ製品なども、あまり食べないほうがいい。白米も精製された炭水化物なので、少量にしておくことだ。

「果糖ブドウ糖液糖」はトウモロコシから作られるが、その55%はフルクトースなので実質砂糖と同じで、もはやトウモロコシではない。多くの加工食品に含まれているが、これは避けるべきだ。

出典=『糖脂肪

本来、炭水化物自体は体に悪い食べ物でないことを忘れてはならない。

炭水化物を主体にした食生活をしていた社会もかつては多かったが、それで彼らは繁栄してきた。問題は、精製する過程にある。

炭水化物から天然油脂やたんぱく質を取り除いたものは、もはや天然の食べ物とはいえないし、人間の体は炭水化物のみを処理できるように進化してきてはいない。全粒粉や全粒穀物ですら、高度に精製されているものが多い。

問題は、これらの食品に対するインスリン反応だ。そのままの、精製されていない炭水化物は、精製された小麦粉のようなインスリン反応を引き起こすことはない。