近ごろ多いアスリート同士の結婚、なぜ良いのか?

それにしても、今回の結婚相手お披露目で、大谷翔平という人の「誰よりも野球が上手くなりたい」という欲求の強さが尋常じゃないこと。それが改めて浮き彫りになった気がする。

 

プロのアスリートが何を優先させて生活していくべきか、それを真から理解してくれるのは、同じアスリートかアスリート経験者だからだ。

実際に、北斗晶と佐々木健介、谷亮子と谷佳知、三苫薫とクリア(三段跳び高校日本一)、バレーボール西田&古賀夫妻、丸山桂里奈と本並健治、ダルビッシュ有と山本聖子などが有名だが、皆仲良さげで、アスリート夫婦同士にはわれわれ一般人に分からない共感や絆がある気がする。

写真=EPA/時事通信フォト
2024年3月15日、ソウル近郊の仁川空港に到着したドジャースの大谷翔平(右)と妻の真美子さん(韓国・仁川)

一般的に夫婦の離婚理由の第1位はずっと「性格の不一致」だが、生活していく上での価値観の違いが火種となって互いを許せなくなるのがほとんどだと思う。

アスリートと結婚して「ついていけず」離婚した女性も

例えば、私の知人はあるプロのアスリートと結婚をしていたことがあるのだが、お相手がストイック過ぎて「とても生活を共にできない」と新婚当時よく愚痴っていたものだった。別に同じような生活を強要されたわけではないらしいのだが、運動も睡眠も食べ物もこだわりが強く規則正しく、そんな彼の前で自分だけ「普通」に生活するのも後ろめたかったそうで、いつの間にか彼女が大好きなレストランやムードのあるバーに行けなくなったり、家でも落ち着けなくなったりしたらしい。

結局離婚してしまったわけだが、離婚理由はもちろんそれだけではない。しかし、生活スタイルや価値観の違いが積み重なってすれ違っていったのは見て取れた。

大谷翔平はスポーツ選手の中でも特にストイックなことで有名だ。味付けしないで肉や野菜を食べるとか、甘いものを摂らないとか、たぶん私たちが知らない彼のこだわりやルールはもっといっぱいあることだろう。それを無理なく理解できるのはやはり、プロのトレーナーか、自身がアスリートとして肉体のコンディションに拘ってきた相手になる。

だから、現在プロアスリートの夫を支えている元女子アナやタレントや一般女性の妻達は相当がんばってその価値観の違いを乗り越えているのだと思う。思わず私の中の張本勲が「あっぱれ!」と叫んでしまうくらい、人のケアやサポートが苦手な私にはどんなに無理しても務まらないだろう。