毎月3万円分のETFを24年間購入すると…

S&P500に連動するETF「SPDR S&P500 ETF(以降、SPY)」を使って、より長い期間で▲5%ルール投資法を実行したらどうなるかについて検証してみましょう。

このETFはアメリカの株式市場に上場している商品で、S&P500指数に連動するためeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とほぼ同等のパフォーマンスが期待できます。日本から円をドルに換えて投資したという想定で、2000年1月から直近の2023年12月までの24年間でシミュレーションしてみましょう。

SPYを毎月最初の営業日に、その時点でのドル円レートで3万円分を買い付ける投資を24年間続けたという想定で計算しました(図表1)。

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この方法で積み立て投資のみを継続した場合、つまり月3万円の積み立て投資を24年間行うと、投資した総額は864万円になります。それが24年後には、4668万3939円に成長しています。利益率としては440%、投じた資産は約5倍に増えた計算です。さすが、20年も継続するとすさまじい成長率です。

一方、▲5%ルール投資法のみを実行した場合はどうでしょうか。シグナル点灯回数は30回、総額で1080万円(▲5%ルール投資法の1回あたりの投資額は、積み立て投資での年間投資額と同額の36万円。36万円×30回=1080万円)を投資した結果、7178万5881円に成長しました。利益率は565%、資金は6倍以上に増えた計算で、積み立て投資のみのケースを上回ります。

併用型の利益率は「積み立てのみ」を上回る

そして最後に、積み立て投資と▲5%ルール投資法を併用した場合を見てみましょう。投資金額は1944万円で、投資を始めて23年5カ月後に1億円を突破し、2023年12月の時価評価は1億1846万9820円になりました。

利益率が最も高いのは▲5%ルール投資法のみの場合で、最も低いのが積み立て投資のみの場合でした。その中間となるのが併用型ですが、投資の額が大きい分、利益の額は併用型が最大となっています。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を使って5年半投資した場合と同じ傾向が表れており、投資期間を延ばしても同様の成果を期待できると考えられます。▲5%ルール投資法は、過去5年半でも、20年以上継続しても、いずれも有効な投資法であることがわかりました。

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