※本稿は、福田猛『この世でいちばん臆病な投資生活』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
慎重すぎる人には投資信託がおすすめ
投資信託は派手さはない、地味目な投資法です。
しかし、地味だからこそ手堅くコツコツ利益を積み重ねていけます。それは慎重すぎる人のライフスタイルにピッタリではないでしょうか?
ここで、投資信託の代表的なメリットについてご紹介します。普通の投資のイメージとはずいぶん違うのだと感じていただけるのではないでしょうか。
①売らなくていい
基本的に、投資は売ったときに利益を得られます。
といっても、それが一番難しいのです。
「もう少し値上がりしてから売ろう」「もう少し」「まだまだ」とタイミングを見計らっていたら、急に下がり始めて「あっ……」とオロオロしているうちに、売れなくなってしまった。それは「投資あるある」です。
投資信託は、売らなくていい投資です。
今の商品をすぐに売る必要も、他の商品を買う必要もなし。運用会社があなたの代わりに、投資信託の中で売買をやってくれます。資産がたっぷり貯まった段階で投資信託を売れば、大きな利益を得られます。
「相場を読む」なんてプロでもほぼできない
②相場を読まなくていい
基本的に、多くの投資は「相場」を読んで「もっと上がるか、下がるか」を判断します。
投資信託ではその必要はありません。投資信託の「積み立て投資」という方法を選べば、いつ買ってもいいので、相場は関係なくなります。
皆さんは、プロ中のプロであるファンドマネージャーは、「株式の相場」をどれくらい予想できると思いますか?
答えは、「ほとんど予測できない」です。
私はこれまで国内トップクラスの優秀なファンドマネージャーにたくさん会ってきましたが、短期の相場を予想できると言った人は、ただの1人もいませんでした。
投資信託のファンドマネージャーは、3~10年といった中・長期的な視点で企業を分析しています。
短期的な株価の動きではなく、長期的に見て「その企業は生き残っていけるかどうか」を分析しているから、長期間運用できる投資信託をつくれるのだと言えます。
「ウクライナショック」「コロナショック」「リーマンショック」のように暴落するときは「ショック」と名付けられますが、どんなに相場予測がうまい人間でも事前に予想できないから、文字通りの「大ショック」を受けるわけです。
それも4年に一度くらいのペースで、「○○ショック」に巻き込まれるのが自然の理で、防ぎようがありません。
相場を読む力を鍛えられるなんて幻想だと思ってください。
元々読めない相場なら、相場を気にしなくていい投資をすれば、心穏やかに過ごせます。