安全な投資信託にもデメリットはある

投資信託は、そもそも分散投資しているから「紙くずリスク」は低いですが、さらに安心な仕組みがあります。それは、運用を行う運用会社、販売を行う金融機関等、信託財産を管理している信託銀行が破綻しても、投資家が預けたお金は投資額にかかわらず分別管理され、守られるということです。

これらの会社が破綻しても他の会社に移されて運用が続くか、その商品が終了となってもそのときの時価でお金が戻ってきます。だからゼロになることはほとんどありません。

ここまで投資信託のいい面についてお話してきましたが、どんな投資でもデメリットもリスクもあります。

それをあらかじめ知っておけば、心構えができるでしょう。

①すぐには大きく利益を得られない

投資信託は長期運用を目的につくられた商品なので、短期的な売買には向きません。なかには短期取引目的のための投資信託もありますが、基本には長期目的です。

それはつまり、すぐには大きく利益を得られないということです。

買って数カ月で売ってもほとんど利益はないでしょうし、2、3年で売っても微々たる利益しかないでしょう。

人気ランキングの商品に飛びついてはいけない

投資信託はいい商品を選べば20年後、30年後には大きな利益を得られるのですが、それをよく分からないまま投資を始めた方は、2、3年投資したら「全然儲からないじゃないか!」と解約してしまったりします。

「10年も20年も待てない」という方には、投資信託は向いていません。

②似たような商品が多くて選べない

投資信託を買おうと証券会社のサイトを見てみたら、同じような名前の商品がずらりと並んでいて、「違いが分からない」と戸惑う方も多いでしょう。

「だったら、販売金額人気ランキングの上位を選べばいいのかな?」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。それは危険な落とし穴です。

残念ながら、投資信託はすべてがいい商品というわけではなく、むしろ長期間投資できるようないい商品はごくわずかです。

オフィスでミーティング
写真=iStock.com/psisa
※写真はイメージです

それは証券会社の事情に詳しい金融のプロでないとなかなか見極められないものです。ですので、今人気がある商品や話題の商品に飛びつかないようにしましょう。

私が選んだおすすめの投資信託の商品は拙著『この世でいちばん臆病な投資生活』(サンマーク出版)でご紹介しています。