豊臣秀吉からの褒美で「複利」を得た賢い家臣

⑥複利の効果を得られる

複利は、投資信託の積み立て投資で得られる「おいしいシステム」です。

たとえば毎年3%の利息がもらえる場合で考えましょう。元本がんぽんを100万円とすると、1年目には「3万円」の利息がもらえます。では、翌年も利息3万円がもらえるかというと、これが違うのです。翌年は利息分3万円を加えた「103万円」が元本になります。ですから、その利息3%分にあたる「3万900円」がもらえます。不思議ですが、最初の年より900円も増えているのです。

つまり、複利は、投資を続ければ続けるほど、元本が増えていってくれるのです。さらに、元本が増えればおのずと利益も増えるおいしいシステムです。

これがどんな効果を生み出すのか、複利の説明でよく用いられる曽呂利新左衛門そろりしんざえもんのエピソードをご紹介しましょう。

曽呂利新左衛門は豊臣秀吉の家臣で、ある日、褒美をもらえることになりました。

「何がいいか」と尋ねられた新左衛門は、「初日は米1粒、2日目は2粒、3日目は4粒、4日目は8粒というふうに、1カ月間、前日の倍の数の米粒をください」と言います。

秀吉は「なんだ、そんなものでよいのか」と安請け合いしたのですが、途中でとんでもない事態に陥ります。実はこれ、1日あたり100%の複利なのです。

白米とマス
写真=iStock.com/4nadia
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株式投資は「紙くず化」と隣り合わせ

新左衛門の望み通りに米粒を与えると、2週間後にようやく8192粒。これは1合を少し超える程度の量です。

ところが、1カ月後にはなんと5億3000万粒余りとなって、およそ200俵もの米を与えなくてはならなくなります。1俵は約60キログラムなので、12トンという、とてつもない量です。

秀吉は途中でこのことに気づき、別の褒美に変えてもらったそうです。

これが複利の効果です。イメージできたでしょうか?

⑦0円にならない

株式投資でよく聞くのが、「紙くずになる」というたとえ。

実際には、今はネットでの取引がメインなので、紙の証券でやりとりするわけではありません。

上場している企業が倒産すると、その株式は取引できなくなるので換金できなくなります。つまり、投資したお金はパア。

日本では大企業は政府が救うから大丈夫と言われていますが、2010年にはJALが経営破綻して紙くず化しました。やはり、株式投資は紙くずになるリスクと隣り合わせだと考えたほうがいいでしょう。