同じくポルトアレグレの名門SCインテルナシオナルは、2006年に日本で開催されたFIFAクラブW杯で初優勝したことをリマインドし、決勝でバルセロナ相手に唯一のゴールを決めたアドリアーノ・ガビル元選手を、鳥山氏追悼メッセージの代表にしてメッセージを発表した。
「クラブW杯での『大衆のクラブチーム(SCインテルナシオナルの愛称)』の優勝に貢献したサイヤ人ガビルは、日本の偉大な作家である鳥山明氏のご逝去を悼みます。鳥山氏は世界のポップカルチャーに影響を与えた作品群の作者でした。作品の中で最も知られているのがドラゴンボールです。いいエネルギーで満たされた元気玉を鳥山先生のご家族とファンに捧げます」
サッカーと鳥山明作品の共通点
それにしても、サッカーと漫画家という一見共通点が見えなさそうなジャンルにおいて、どうして多くのサッカークラブが哀悼の意を表明したのか。
SNSでの鳥山氏へのオマージュを手掛けたインテルナシオナル広報担当者は、その理由を熱く語ってくれた。
「私たちのクラブがこれまで世界一になれたのは唯一、日本で開催された大会においてでした。わずかなことですが、私たちも鳥山氏と日本の皆さんに心を寄せるべきだと思いました」
「いまはサッカー選手もサポーターもアニメを見て育つ時代です。ドラゴンボールは、アニメが文化のメインストリームとなることを導いた作品です。その作者を失うということはアートの世界に限らず、すべてのファンにとって大きな損失を意味するのです」
「ゴール後のポーズやキャラクターの絵が入ったスパイク、スタジアムでのコレオグラフィーなどを見れば、多くのサッカー関係者とサポーターもまた鳥山明のファンであることがわかります。困難を乗り越える粘り強さには誰もが共感することをドラゴンボールの人気が示してくれました」