サッカー選手はドラゴンボールから大切なメッセージをもらってきた

リベルダージに恋人と街歩きに訪れたアレックス・サンタナさんは、前夜に鳥山氏を悼んで「ドラゴンボールGT」の最終話をカップルで観賞した。

カップルでドラゴンボールTシャツ姿のサンタナさん(右)とジオヴァナ・マルチンスさん
筆者撮影
カップルでドラゴンボールTシャツ姿のサンタナさん(右)とジオヴァナ・マルチンスさん

「僕は今本当に、喪中の気分です。ドラゴンボールシリーズが一番好きなアニメで、全作品見ています。サッカー界を含め世界中の人が鳥山氏の他界を悼むメッセージをSNSに投じていて大きな連帯を感じます。戦いごとにさらに強くなり、目の前にどんなに大きな困難が現れても、それを乗り越えるために努力する悟空の姿勢を通じて、有名サッカー選手も僕たち一般の人も鳥山さんからの大切なメッセージをもらってきたんです」と涙目で語った。

常日頃感じることだが、日本から遠く離れたブラジルは極めて親日的な国だ。

何よりも日本移民とその子孫が培った信頼の大きさによるのだが、国民スポーツであるサッカーの関係者が、ドラゴンボールのような日本のコンテンツを掲げて作者を悼む姿に、ポップカルチャーもまた日本とブラジルの絆を強く結ぶのだと感じる。

否、それはブラジルに限ったことではない。民族や国家の間の争いが常に耳に入る昨今において、「サッカー」や「アニメ」といった文化には、人と人とを結ぶ尊い力があることを鳥山明の他界は改めて示してくれた。

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