ファッション関連会社がランクイン

下位ランキング500社を業種的に分類すると、卸や小売業(外食、食料品含む)が183社、サービス業(旅行代理店、介護関連、ホテルなど)が132社となっている。

HANATOUR JAPAN(14位)、ベストワンドットコム(36位)、旅工房(90位)、エイチ・アイ・エス(168位)など、コロナ禍の影響から立ち直りつつある旅行代理店も低年収が目立つ。

気になるのはランキングにファッション関連企業が多数名を連ねていることだ。

女性衣料のバロックジャパンリミテッド(18位)やANAP(26位)、バッグのサマンサタバサジャパンリミテッド(33位)、カジュアル衣料のシーズメン(35位)、子ども服のナルミヤ・インターナショナル(46位)、宝飾品のハピネス・アンド・ディ(64位)、紳士服のタカキュー(66位)、ジーンズカジュアルのライトオン(89位)が下位100位にランクインしている。

コロナ禍の影響というより、ここ数年で激変した消費者の価値観の多様化についていけないのも要因だろう。

中華の東天紅(15位)、和風レストランのカルラ(39位)、居酒屋のかんなん丸(46位)、トラフグ料理の東京一番フーズ(51位)と関門海(61位)が下位100位にランクイン。ラーメンの幸楽苑HDは124位、居酒屋の大庄は134位、英国風パブのハブは175位、串カツ田中HDは449位である。

610万円下がった会社、130万円上がった会社

500社中比較ができない22社を除いた478社で見てみると、前年比ダウンは167社。ベスト500に比べてダウン組の比率が高い。

ランキングの3位のエスポア(不動産業)は610万円を超えるダウンだった。詳しい要因を問い合わせたが、期日までに回答はなかった。平均勤続年数を見ると、昨年の13.7年から0.6年になったように、従業員が大幅に入れ替わったことが大幅減額になったようだ。

ワーストランキングの中で最も年収が上がったのは、全国に49施設の老人ホーム・介護施設を展開するサンウェルズで、136.1万円の増加だった。

物価高を克服するために、大企業を中心に4%程度の賃上げを目指す動きが広がりつつあるが、下位の各社にも波及することが不可欠である。

地方拠点の企業では、金沢、富山にある百貨店の大和(30位)と福岡県北九州市を地盤とする井筒屋(34位)、福島県いわき市にあるレジャー施設「スパリゾートハワイアンズ」の常磐興産(77位)、新潟交通(106位)、第一交通産業(251位)、天満屋ストア(256位)などが上向きに転じた。

全国展開の企業では、シューズチェーンのエービーシー・マート(144位)、「グローバルネットワーク」や「ニコアンド」ブランドのファッション企業アダストリア(230位)、紳士服チェーン最大手の青山商事(423位)、くら寿司(456位)が増額に転じている。