予算は「don't」「may」「better」「must」に分けられる

(1)ドント(don't) してはいけないこと
(2)メイ(may) してもしなくてもいいこと
(3)ベター(better) した方がいいこと
(4)マスト(must) しなければいけないこと
(1)ドント

これはわかりやすいですね。やってはいけないこと。誰かの私利私欲のためにお金を使うなど、政治家として絶対にしてはいけないことに、予算を割いてはいけません。

(2)メイ

してもしなくてもどっちでもいいこと。悪いことじゃないけど、それってやらなきゃいけないの? という事業。今の日本の政策で意外と多いのが、この「メイ」のカテゴリです。

例えば、明石市では、商店街の空きスペースにお店を出したら、市から500万円の補助金が出るという制度を実施していました。でも、私が市長に就任して、この制度をやめました。意味がないとは言いませんが、この補助金制度のように、「長年やってきたから」という理由だけで続けている政策は思いのほか多いです。

以前の明石市は財源に余裕がなかったので、「メイ」にカテゴライズされるものは、すべてカットしました。財政に余裕がない今、国の予算も、「メイ」は全部カットすべきだと思います。

(3)ベター

した方がいいこと。ハッキリ言って、今の政策はこの「ベター」だらけです。

例えば、道路工事などを請け負う公共事業は、まさに「ベター」に属するものばかり。歩道は広ければ広い方がいいし、建物は狭いより広い方がいい。公共施設は汚いよりキレイな方がいいし、公園も少ないよりは多い方がいい。何だって「ベター」に置き換えられるので、公共事業を完璧にやろうと思ったら、予算がいくらあっても足りません。そこで私は、「ベター」にカテゴライズされるものに対しては、3つの観点で整理していました。その中のひとつが「代替性」です。