元夫は「子育てプロジェクトのメンバー」
元夫との新しい関係をスタートさせたTさん。今はどんな状況にあるのだろう。
「一緒にいた時はいがみ合うことが多かったけれど、離れて暮らす今は『子どものために』と、互いが純粋に考えられるようになった」とTさんは語る。
怒りやわだかまりが薄れてくれば、自分も心が楽になり、何かをしようとの意欲も湧いてくる。息子と元夫の仲は良く、「お父さんと水族館に行きたい」などと息子も会うのを楽しみにしているようだ。
「もし元夫と息子を会わせない、との判断をしていれば、そのことで生じる子どもへの『責任』を自分は背負い切れたのだろうか」と時折思う。
今でも元夫とは時々険悪な雰囲気になる。その時には「役割分担」と「相手に求めすぎないこと」を意識する。「ビジネスライク」と思えばできるはず。
子どもを育て、好きなことをさせてあげるにはお金もかかる。息子は元夫の幼い頃とそっくりで、国旗が好きなど似ているところもたくさんある。進路などで相談したくなる時もきっと来るだろう。幸い元夫も「息子と一番接し、一番よく分かっている」と、Tさんの見方を尊重してくれるようになった。
「元夫は子育てプロジェクトのメンバーみたいなものですね」と笑顔で話すTさん。今の心配は、元夫が将来再婚した場合、子どもにどう伝えたらいいのか、ということ。その時は1人で抱え込まず、また誰かに相談したいと思っている。悩み、助けを頼りながら今にたどり着いたTさんは、何かが吹っ切れた、すがすがしい表情をしていた。