「違和感」は理想の自分に近づく強力な手がかり
一般的に違和感はあまりよくないものと思われがちです。しかし、この理想と現実のズレから生じる違和感は「やりたいこと探し」の究極の手がかりです(※5)(※6)。
※5: Rogers,C. R. 1951 Client-centered therapy : Its current practice,implications and theory. Boston : Houghton Mifflin/ Higgins,E.T., Klein,R.L., & Strauman,T.J. 1987 Self-discrepancies : Distinguishing among self-states , self-state conflicts , and emotional vulnerabilities . In K . Yardley & T.Honess (Eds.), Self and identity : Psychosocial perspectives, pp.173-186.Chichester,England : Wiley.
※6:Duval,S. & Wicklund,R.A. 1972 A theory of objective self-awareness. New York : Academic Press.
なぜなら、違和感は、求めている自分の特性や個性、価値観や感覚とズレていると脳が認知したときに感じるもので、現在の行動や方向性が自分に合っていないことを教えてくれているからです。
普段から「この仕事、どうもしっくりこないな」「人間関係でつかれてしまうな」と引っかかりを覚えることはありませんか?
それは、仕事をするうちに忘れてしまうような、あまりにも小さな違和感かもしれません。
好きでないことをやっているときに人は違和感を覚える
しかし、その違和感があるということは、自分が好きでないことをやっている可能性があります。人と一緒に過ごすのが好きなのに、一人でリモートの作業だけの仕事をしている人は、違和感を感じます。
本当にやりたいことは、事務作業ではなく、人と一緒に会話したり、価値観を一緒に作り上げていくことかもしれません。
つまり、違和感があったときこそ、「やりたいこと」に近づくチャンスなのです。
今やっている仕事から、違和感のある作業を少しずつ減らしていけば、徐々にやりたい仕事に近づいていけるでしょう。
「1つの仕事を根気よく続けることで人は成長する」という意見も一理ありますが、さまざまな仕事を経験しながら違和感を集めることも、やりたいこと探しには欠かせないプロセスなのです。