テレビのコメンテーターなどで活躍する信州大学特任教授の山口真由さんは、「仕事で電話は使わないようにしている」という。なぜなのか。山口さんは「わたしは『話す』というアウトプットが苦手。だから、ちょっとした用事でも『書く』ようにしている。苦手なことは極力やらないほうがいい」と説明する。セブン‐イレブン限定書籍『東大首席が教える 賢い頭をつくる黄金のルール』からお届けしよう――。

※本稿は、山口真由『東大首席が教える 賢い頭をつくる黄金のルール』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

山口真由さん
画像=川しまゆうこ
山口真由さん

自分の得意なことで勝負したほうがいい

もしあなたがいま、仕事をまるで「苦行」のように感じてしまうなら、それは自分が不得意なことをしているからかもしれません。そんな努力を続けていると、心身が消耗するわりには、得られる成果が乏しかったりもします。

わたしは、本気で努力するなら自分の得意分野でと決めています。得意なことを磨いて「とがった」能力に変えていければ、不得意なことは十分にカバーできると考えているからです。

あたりまえですが、社会は分業で成り立っています。自分が得意なことで存分に活躍できれば、別のことはほかの人がしっかり活躍してくれるでしょう。

また、これは「ひとつの分野に集中する」という意味ではありません。幅広い分野をバランス良く磨くのが得意なら、その能力を誰にも負けないくらいに高めていけばいいのです。

時間は有限です。

いま不得意なことで疲弊していると感じるなら、ぜひそのエネルギーを自分の得意なことにそそいでみてください。そして、それを趣味のレベルを超えた、「仕事に直結する能力」にまで高めていくことを目指すのです。すると、どんどん結果が出てきます。

仕事では、なかなか条件や環境が許さないこともあると思います。それでも、少しずつでいいので、自分の得意な方向へシフトしていくことを意識してみてください。