使用価値より希少価値のほうが優先されている

2013年のリセールバリューを見ると、1位の東京メトロ日比谷線の広尾駅で144.1%、都23区のエリア平均のリセールバリューが96.2%でした。ところが2022年の首都圏のリセールバリュー平均は132.5%となっており、この数値を見てもマンション価格は相当高くなっていることが理解できます。

また、2013年では100%を超える駅は今ほど多くありませんでしたので、これほどまでにマンション価格が高騰するとはだれも思っていなかったでしょう。

最近では、投資対象として首都圏のマンションを購入しているケースも多く、希少価値の方が使用価値よりも優先されていると言えます。

お気づきかとは思いますが、「希少価値」と「市場価値」はリンクしています。希少価値の高い物件はほぼ例外なく市場価値も高いと言えます。ここでは頭をシンプルにするために、「希少価値」と「市場価値」を一緒にして「資産価値」という言葉に置き換えて話を進めていきましょう。

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銀座のど真ん中に住むのが正解なのか

不動産購入のポイントは、この「使用価値」と「資産価値」の両方を満たすことが重要です。

ただし、二つの価値をマックスで得ようとすると、コストが大変高くついてしまいます。その場合には、私は、「使用価値」を優先することをお勧めしています。

居住用の不動産に関しては、使用価値以外のリセールバリューといった資産価値を優先してしまうと、間違った買い方をしてしまう危険性があるからです。

首都圏にいると、資産価値として得なのか損なのかという話に必ずなりますが、自分の住まいに関して資産価値のみを前提にすることは、住宅業界に身を置いてきた人間にとっては甚だ疑問です。

誰しも損したくはないでしょうが、例えば資産価値が高いからと銀座のど真ん中にマンションを購入しても、すべての人が満足するわけではありません。物価が高すぎて生活しにくい、病院が遠い、夜は明るすぎて眠れない、といった生活する上でのマイナスの側面もあるわけです。