絶望を絶望と捉えなければいい

大事なのは、今の絶望している状況に対する視点を切り替えることです。人がなぜ絶望するかといったら“こうありたかった自分”に執着し続けているからではないでしょうか。だったら、絶望を執着を手放すきっかけと捉えればいい。執着を手放しさえすれば、意外とすんなり一から始める気になれるものです。

撮影=プレジデントオンライン編集部

人が受けとることのできる情報量には限りがあるので、絶望を絶望として捉えたままでいると、それを前提とした情報しか入って来なくなります。よく「思考は現実化する」といわれますが、まさにその通りです。だったら、いかに絶望的状況であったとしても、自分がそう捉えなければいいわけです。

テストや受験問題は正解がひとつであることが多いですよね。例えば「1+1=2」のように、正解はあらかじめ決まっているものであって、自分で決めていいものじゃない。でも、こうした受験思考では絶望から立ち上がることはできません。

人生やビジネスにおいては、正解がひとつしかないなんてシーンはかなり特殊です。一見正解に見えるものは常識や固定観念でしかなく、ほとんどの物事は自分で正解を決めることができるのです。

「自分は運がいい」と自分で決める

僕も20代までは受験思考を引きずっていて、正解はひとつに決まっているという固定観念を持っていました。例えば、僕は社会になじむのに苦労したので、世の中は自分に対して攻撃してくるもの、人生は大変なものだと思い込んでいました。また、自分は運がいい・普通・悪いのうちどれかと考えたとき「特によくも悪くもないから普通」だと思っていました。

それが、30代で視点を切り替えることの大切さに気づき、人生が大変かどうかも運がいいかどうかもあらかじめ決まっているわけじゃない、自分で決めていいんじゃないかと思うようになったのです。このときから僕は「世の中は悪いものじゃない」「自分は運がいい」と決めました。

そうすると不思議なもので、人の悪いところではなくいいところが目につくようになり、結果的にいい人にばかり出会えるようになりました。運がいいと決めたことで、そう思えることばかりに目が向くようになったのです。