「お姫さま思考」からの脱却で生きやすく
「じゃあ、誰が私を幸せにしてくれるんですか?」というK絵さんのような人に、ぜひ取り組んでほしいのが「お姫さま思考脱却ワーク」だ。
1.「私の周りにいる人には、私を幸せにする役割がある?」と自分で自分に問う。
2.「幸せにする役割がある」「幸せにする役割はない」いずれの答えに対しても「それは本当?」と問う。
3.「周りの人には、私を幸せにする役割はない」と自分に伝える。
4.「私を幸せにすることができるのは、私だけ」と自分に伝える。
このワークのポイントは、「それは本当?」と自分に問いかけることだ。思い込みを外すには、時間がかかる。何度も自分に問いかけることで、思考のくせを外すことができるのだ。
「誰かのせいで自分は不幸せになっている」という思考から脱却し、「自分を幸せにできるのは、自分しかいない」という認識を持てるようになると、大げさでなく、世界の見え方が変わるはずだ。
たとえば、レストランで偶然隣り合わせになった人が結婚報告をしていたら、「こんな身近に結婚する人が表れたということは、私が結婚報告をする日も近いのかもしれない」と思えるようになる。
人の幸せを「結婚爆弾」などと捉えて被害者意識を持っていると、さらに「被害」に遭うことになるだろう。人の幸せを「幸せの予兆」と捉えることができれば、同じ状況にあってもひとりでに幸せになれるはず。
思考を変えれば「幸せ」はそこにある
K絵さんは、周りの人の言動に心が乱されそうになるたびに、ワークを繰り返した。そうするうちに、「他人が自分を幸せにしてくれるのを待つより、自分で自分を幸せにしたほうがてっとり早い」ということに気づいたという。
それからのK絵さんは、自分が行きたいところへ出かけ、好きなものを食べるようにした。ダイエットやメイクの研究もした。努力してきれいになることで、自分で自分を喜ばせる楽しさを実感したという。
そうしてK絵さんは、39歳のときに結婚相談所で出会った男性と結婚をした。
5歳年上で、笑顔が優しい人だ。子どもにも恵まれて、現在は時短勤務をしながら仕事と子育てを謳歌している。
もちろん、「お姫さま思考」が完全に消えたわけではない。「どうして私のために~してくれないんだろう」という思考がわき上がってくることは、今でもときどきあるという。そのときは「お姫さま思考脱却ワーク」をして、「自分を幸せにできるのは、自分だけ」という基本姿勢をとり戻している。
そうすることで、目の前にすでにあった幸せや与えられた優しさにも気づけるようになるのだ。
他人の言動に不満を覚えたときは、心の中に「誰かに幸せにしてもらいたい」「周りの人に機嫌をとってもらうのがあたりまえ」とふんぞり返っている「お姫さま」がいないかどうか自問してみるといいだろう。
そんな「お姫さま思考」を自覚したときは、「その人には、私を幸せにする(機嫌をとる)役割が本当にあるのか?」と、自分自身に問いかけてみてほしい。