「結婚したことがない人」よりも「離婚した人」の方が幸福度は高い

興味深いことに、同じ未婚状態であっても、一度も結婚したことがない人よりも、結婚していたが離婚した人の方が、幸福度が高いことが示されている。どうやら、多少、確信がなく、離婚するかもと思っても、結婚してみたほうが良いようだ。

さらに、子どもがいることの幸福度への影響は、男性でも女性でも同じ程度だが、結婚していることの幸福度への影響は女性よりも男性のほうが大きい。男性のほうが配偶者への依存度が大きいのだろう。

また、これはさまざまな先行研究でも指摘されていることだが、女性のほうが男性よりも幸福度が高い。

「友人が多いかどうか」はそれほど幸福度に影響を与えない

住みここちランキングには個々人の性格や考え方、生活習慣に関する設問もあり、そのうち「未来は明るいと思う」という項目と、「家族関係は良好だ」という項目は、幸福度を大きく押し上げる効果があることがわかっている。この2項目の効果は、結婚していることと子どもがいることの合計と同じくらいの効果がある。

人に感謝するとか、人生の目的を見つけるとか、自己肯定感を持つとか、さまざまな幸せになるための方法論があるようだが、いわゆるポジティブシンキングと、大切な家族と仲良く暮らすことを考えるだけで、幸福度は高まるということになる。

なお、「友人は多いほうだ」「私生活より仕事を優先する」といった項目が幸福度に与える影響は非常に小さいが、週60時間働くことや、通勤時間が90分以上であることは幸福度を多少下げる。

やはり一定のワークライフバランスは必要なようだ。

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また、年齢に着目すると、単純な年齢別のクロス集計では、子どもの教育費などの経済的・心理的負担が最も大きいと考えられる40~50歳代の幸福度が最も低く、そこから年齢が上昇すると幸福度も上昇していく。ただし、これは年齢の効果ではなく、年齢が高いほど、子どもがいる率が高まったり、資産が大きくなったりする効果のようだ。つまり、だれでも歳を取れば、自然と幸福度が高まる、という単純な話ではないらしい。