なぜ1文40字なのか
なぜ1文あたり40字がいいのか。
みなさん、教科書は手元にありますか。
教科書の文体には、簡潔かつ論理性が求められます。教科書を読んで「これは名文だ」と感動する人はいないでしょうが、論理的で分かりやすいという観点からすると、非常に優れた文章なのです。
私は、実際に日本史の教科書執筆に携わった経験があります。
そのときに、教科書会社の編集長から口を酸っぱくして言われたことが、
「1文は50字以内ですよ。長文になったら必ず2文にしましょう」
という指摘でした。
この文字数を検証すると、面白いことが色々と見えてきました。
まず、放送メディアのニュース原稿は、1文40字程度ということがわかりました。
これは放送部の顧問をしていた先生が教えてくれたのですが、アナウンサーが読み上げた時に伝わりやすい短さなんですね。
それを知って以来、ニュースに字幕を表示するようにしたところ、やはり40字前後になっています。意識して見れば見るほど、どのニュースも、主語述語があって論理的な短文で構成されているのです。
また、パソコンで文章を書く人なら、Wordという文章作成ソフトを使ったことがあるのではないでしょうか。私自身はWordではなく、一太郎というワープロソフトを使っていますが。
数えてみて「おっ!」と思ったのですが、Wordも一太郎も、デフォルト(基本設定)は1行40字でした。
これもまた、40字程度がちょうど読みやすいという暗黙のメッセージが隠れているかもしれないですね。
接続詞を使うことで論理的になる
また、R80において2文目の最初に使用する接続詞には、次のようなものがあります。
・逆接(しかし、だが、ところが)
・並列(また、ならびに、かつ)
・対比(一方)
・換言(つまり、すなわち)
・理由説明(なぜなら)
R80は接続詞を使うことで、読む人に対して補助的に、もっと言うなら強制的に、展開を示していきます。そのことで論理的な文章にしていくわけです。