東大合否を分けるポイント「論理力」とは何か
論理力とは何なのか。
現代文のカリスマ・出口汪先生による定義が、私には一番しっくりきました。
出口先生の定義を拝借すると、次のようになります。
相手の主張の筋道を読み解き、
自分の考えを整理して伝える力」
相手の主張の筋道を読み解き……というところまでは読解力と言い換えることもできますが、それだけにとどまりません。
自分の考えを持ち、整理することができ、それを伝える力がある。
ここまでひっくるめた能力が、論理力なのです。
現代文は学習指導要領改訂により、2022年度に高校入学した学年から、「論理国語」と「文学国語」という2つの科目に分かれました。
東大に現役合格する子の共通項を今風に言い換えるなら、論理国語が得意な子、ということになるだろうと思っています。
なぜなら、論理力がなければ、理系を含むすべての科目で問題の意図を読み解くことができず、記述問題への対応も難しいからです。
論理力を育成するメソッド「R80」
私は2016年度から4年間、茨城県立並木中等教育学校の校長を務めました。
躍進著しい進学校の校長として、まずは自校の生徒たちのニーズである学力向上のために、論理力を伸ばす方法を考えたのです。
東大をはじめ難関大学への入試を念頭に置いている中高生に役立ててもらえるアイテムを、という思いが第一にありました。
そして、「思考力・判断力・表現力を身につけ、論理力を育成する」ことを目的として開発したのが、R80(アールエイティー)という文章メソッドなのです。
R80は現在、全国推定1000校以上で導入されています。
茨城県の1校での実践から、7年でここまで広がったことは感慨深いです。
軸となるルールはたったの2つ。
②2文目の最初に必ず接続詞を使う
これだけです。誰でもすぐ覚えられますよね。
もう少し詳しく説明すると、80字以内といっても短すぎるのはダメ。
40字×2文で80字が理想形です。