ケース③ 家族の社会保険料を支払っている人は要チェック

社会保険料控除は、自分自身の保険料はもちろん、生計を一にする配偶者、そのほかの扶養親族の国民年金や健康保険料を支払った場合も対象となります。

この「生計を一にする」は、同居している必要はありません。生活費を共有していれば、離れて暮らしていてもOK。たとえば、別居中の仕送りをしている子や親も対象となります。家族の社会保険料を支払っている人は、見落としのないようにしたいところです。

ケース④ iDeCoの掛金も記入を

今、加入者が増えているiDeCo(個人型確定拠出年金)。iDeCoの掛金も年末調整で所得控除できます。

iDeCoの加入者には、10月頃に国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が自宅に送られます。記載されている1年分の掛金を「給与所得者の保険料控除申告書」に記入しましょう。掛金は全額が所得控除の対象となります。なお、この「小規模企業共済等掛金払込証明書」もあわせて会社に提出します。

小規模企業共済等掛金控除は、iDeCoの他にも、小規模企業共済や企業年金で自分で掛金を拠出したものも対象となります。対象となる人はお忘れなく。

確定申告をする必要があるケース

一方、年末調整で処理できない所得控除に「雑損控除」「医療費控除」「寄附金控除」があります。

簡単にざっと確認しておきますと、「雑損控除」は、災害・盗難・横領などで家や家財、現金などが被害に遭ったときに受けられる控除です(詐欺の被害には適用されません)。

「寄附金控除」は、国や地方公共団体、公益社団法人など特定の団体に寄附をすると、所得控除を受けられる仕組みです。今人気の「ふるさと納税」もこれにあたりますね(※)。

※寄附先の自治体が5つ以内などの条件を満たせば「ワンストップ特例制度」が利用でき、確定申告は必要ありません。

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「医療費控除」は、治療や診療のための通院や薬の購入が10万円を超えた分が、医療費控除の対象になります。こちらも生計を一にしている家族の医療費を合算することができます。

これら3つの控除に該当する人は、自分で翌年の3月までに確定申告する必要があります。

また、年末調整は12月末までに会社を辞める人や、年間の給与総額が2000万円を超える人は対象外となり、こうした場合にも自分で確定申告をします。