【相手が考え込んだら】
三流は、気まずくてアタフタし、
二流は、違う質問で話題を変え、
一流は、どういう態度を取る?

あなたの質問によって相手が考え込んだら。そんなとき、あなたは相手が答えるまで待つ勇気がありますか? もし待てるなら、あなたは一流のコミュニケーターです。相当肝が据わっています。普通は、相手が考え込んでしまったら待てないものです。

気まずくてアタフタしたり、何か口走ったりしてしまうもの。

相手が考えこんだら「じっと待つ」

桐生稔『質問の一流、二流、三流』(明日香出版社)

具体例として、私の失敗談をお伝えします。営業職をしていたときのことです。お客様に「それではご契約を」とクロージングする場面がありました。お客様は少し考えています。私はそのときの沈黙が気まずくて、「今日ご契約いただければ入会金はゼロ円です」とか「今月は割引対象になります」などと、いろいろ口走りました。「何か気になる点はありますか?」と質問することもありました。

こういうときはだいたい、「検討します」と言われて契約がいただけません。お客様は契約するかどうかを黙って考えているのです。それを邪魔されたので契約しないのは当然です。では、一流は、相手が考え込んだらどうするか? 相手の答えを「じっと待つ」のです。

人は、自分のことは自分で決めたい、自分で考えたいからです。その時間を奪ってはいけないのです。とはいえ、「あの間にどう耐える?」という問題もあります。私が具体的に実施しているのは次の2つです。

① 軽く目線を外す
② 自分の呼吸に集中する

じっと見られていると、相手も答えづらいですし、自分の呼吸に集中していると気まずさを感じなくて済みます。あっという間に時が過ぎます。最初は勇気がいるかもしれませんが、大丈夫です。考え込むというのは、答えにつながる因子があるということです。相手もそれに向かって歩み始めています。私たちができることはそっと見守ることです。まさに「沈黙は金、雄弁は銀」です。待つことも、一流への登竜門の一つです。

一流は、相手の答えをじっと待つ
⇒相手が考え込んだら、目線を外し、自分の呼吸に意識を向ける
関連記事
【第1回】最初のひと言で実力がバレる…一流は当たり前のように実践している「質問の鉄板ルール」3要点
「お世話になります」は絶対に言ってはいけない…リクルート全国1位の営業が説く「電話で使える鉄板トーク」
LINEで「、」や「。」を使うと「怒っている」と思われる…オトナたちがまったく知らない若者世代のLINE常識
だからトヨタ社員はすべてを「紙1枚」にまとめられる…ダラダラ話す癖が一瞬で治る「4×4の枠」の使い方
「10個のリンゴを3人で公平に分けるには?」有名な思考クイズをひろゆきが解いたら…答えが斬新すぎた