ゲーム、テレビでも子供の脳を育てることができる

ゲームだけではなく、家族で一緒に見るテレビも、使い方によっては子どもの脳を育てることができます。テレビを見ているだけのときには、前頭葉は働いていません。しかし、見た後に「どう思ったか」などを語り合うと、前頭葉は急激に活性化されます。

読書も一緒です。本を読んでいるときには前頭葉は使われていませんが、内容について親子で語り合うことで前頭葉が働き始めます。

子どもと共通の話題を持つために、子どもが好きな本を読んでみることをおすすめします。子ども向けの本は字が大きくて漢字も少ないので、大人ならあっという間に読めてしまいます。しかも、『かいけつゾロリ』『怪談レストラン』など、子どもの世界ではやっている本は大人が読んでも面白いものばかりです。「ちょっと、この本のダジャレ面白くない?」などと、子どもと共通の話題で盛り上がること請け合いです。

親子で一緒に映画や演劇に行ったり、アスレチックへ行ったりして体験を共有するのも脳育てにはいいことです。たとえば、子どもがタブレットでよく魚の映像を見ているなら、水族館へ連れて行って、実際に泳いでいる姿を見せてあげましょう。実際に水の中で泳いでいる三次元の魚を見ると、記憶が立体化されて定着するので、脳が大いに刺激されます。

たくさんの「好き」が子供の可能性を広げる

親は「子どもの可能性を広げたい」という強い思いを持っているからこそ、熱心に勉強をさせたり習い事をさせたりしてしまいます。しかし、子どもの「将来」よりも、子どもが「今」興味を持っていることにもっと目を向けてほしいと思います。

成田奈緒子、上岡勇二『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(SB新書)

将来の可能性に期待をするあまり、親は子どもの「好き」をすぐ将来の職業に結びつけてしまいがちです。親が自分の勝手な思いで期待を寄せることは、子どもにストレスを与えることにもつながります。

子どもの「好き」は、脳の刺激にもなりますが、純粋に、社会に出てからの癒しになるものです。ダンスをしたり、釣りをしたり、アイドルに夢中になったり……。「好きなもの」をたくさん持つことは、子どものこれからの人生を豊かにしてくれるでしょう。

将来を選ぶことは、子ども自身にしかできません。親にできることは、これからどれほど厳しいことに直面したとしても、自分を支えてくれるような「好き」の数を増やしてあげることなのではないでしょうか。

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