「愛欲の館と化している合宿所から抜け出そう」

「今まで北公次がかわいがられてきたのもひとえにジャニーさんとの肉体関係があればこそと割り切ってきたおれは、もうこの辺で2人の特殊な関係を断ち切ろうと決心した。もう彼の求めに応じなくても北公次は押しも押されもせぬアイドルになったのだ。恐れることはない、この男たちの愛欲の館と化している合宿所から抜け出そう」

そのころのジャニーズ事務所では、新世代のアイドルたちが育ちつつあった。

郷ひろみにつづき、豊川誕、JOHNNYS' ジュニア・スペシャル、リトル・ギャング、永田英二、葵テルヨシ、川﨑麻世。

フォーリーブスは兄貴分として君臨していた。

写真=iStock.com/Tero Vesalainen
「愛欲の館と化している合宿所から抜け出そう」(※写真はイメージです)

後から合宿所に入ってきた少年たちも性愛の対象に

北公次は自分だけではなく、自分の後から合宿所に入ってきた少年たちも社長の性愛の対象になっていると気づいた。

男性同性愛者というのは、同性愛志向がある男を好きになる場合と、同性愛志向がなく、異性愛志向の男、いわゆる“ノンケ”を好きになる場合がある。

ジャニー喜多川は後者、元気で少年っぽい10代の男の子が大好きだった。

それまでは北公次ひとりだけだったが、合宿所に少年たちが集まりだしたので、北公次ひとりに性愛が向けられることは減っていた。

当然、ノンケの男子たちばかりだから、迫ってくることに耐えきれず、合宿所を抜け出すだけでなく、ジャニーズ事務所を退所してしまうケースもあった。

北公次は合宿所で様々な少年たちの兄貴分として身の上話を聞くようになった。

浅草ビューホテルの一室で、北公次が私に打ち明けたことのなかには、生々しい証言があった。