低支持率なのに「解散風」が強くなっている

また、女性閣僚5人の反作用で副大臣・政務官人事では女性がゼロという異常事態を引き起こした。

岸田首相が女性閣僚起用について「女性ならではの感性や共感力も十分発揮してほしい」と述べたことも批判を浴びたが、結局、今回の内閣改造における女性起用はサプライズ要員でしかなかったことが露呈したと言える。

このように、自民党内の情勢や表面的な外見だけを気にして内閣改造をしてしまったため、中身を伴わない新内閣となってしまった。

一方で、岸田首相は来月に召集される臨時国会で解散総選挙に踏み切るのではないかという観測が強くなっている。

政権支持率が低ければ、政府与党が選挙で負ける可能性が高くなるため、解散は見送られることが多い。

しかし、今の岸田政権は支持率が低いにもかかわらず、永田町で「解散風」が吹いている。

その理由は来年秋の総裁選までのスケジュールを見るとわかる。

岸田首相は解散総選挙をしない限り、今の不人気内閣のまま総裁選に突っ込むことになるのだ。

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内閣改造は一般的に国会閉会中に行われるため、タイミングは2回しかない。

今年の臨時国会が終わった後の冬か、来年の通常国会が終わった後の夏だ。

しかし、今年の冬は内閣改造をするにはあまりにも早すぎる。

そして、来年夏は総裁選が9月に迫っており、再選後の内閣改造を踏まえれば、その前に改造するとは考えにくい。

早い段階で衆議院を解散したほうがマシ

つまり、解散しなければ今の内閣のまま、下手すれば政権支持率も低迷したまま総裁選に突入し、「岸田おろし」が起きてしまう可能性があるわけだ。

それならば、できるだけ早い段階で衆議院を解散し、組閣しなおしたほうがマシではないか。このような見立てが永田町では広がっている。

早めに解散総選挙を打つことには、総裁選と総選挙の日程を引き離すというメリットもある。

今の衆議院議員の任期は2025年10月で、それまでに必ず総選挙をしなければならない。

そうなると2024年9月の総裁選から1年以内に解散総選挙があると見られ、自民党議員は次期総裁選で選挙を強く意識して総理総裁を選ぶことになる。

岸田首相が低支持率で挑んだ場合は逆風となる可能性が非常に高いだろう。

こうしたリスクを回避するためにも、岸田首相は早めに解散総選挙に打って出るべきだと判断するのではないか。