働きながら年金をもらうと年金が減ることも

60歳以降も厚生年金に加入しながら働く場合、同時に厚生年金をもらえます。この年金を在職老齢年金と呼びます。ただ、在職老齢年金は、60歳以降の年金額(月額)と給与の合計が48万円を超えると、年金の一部がカットされます。

頼藤太希『大きな文字でとにかくわかりやすい 定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)

たとえば、65歳の人が月10万円の年金と42万円の給与をもらった場合は、月2万円カットされてしまう計算に。年金額は月8万円になってしまいます。しかも、在職老齢年金をもらわずに繰り下げたとしても、在職老齢年金によって支給停止されるはずの部分は増額の対象外です。

この例の場合、繰り下げ受給の対象になる年金額は「10万円」ではなく「8万円」になってしまいます。たとえば、70歳まで繰り下げ受給した場合(受給率142%)、毎月の年金の受給額は「10万円×142%=14万2000円」ではなく「10万円+8万円×42%=13万3600円」にしか増えない点に注意が必要です。なお、年金額を減らさずに済む働き方もあります。

関連記事
【第1回】定年退職後の仕事は「64歳11カ月」で辞めるのがベスト…お金の専門家がそう断言する納得の理由
「申請を忘れると大損する」60歳以降の手取り収入を最大化する定年前後の「手当&給付金」全手続き
年金新制度で「70代まで我慢」がしやすくなったが…それでもFPが「66歳から受給がベスト」という理由
ついに連合が動き出した…年金の「第3号被保険者制度」は今度こそ廃止になるのか
新NISAが始まっても投資に手を出してはいけない…経済学者が「老後に備えるならコレ」と唯一勧める金融商品