妻と離婚、無一文の生活に転落

妻と子供が出て行った家には、家財道具はおろか、石鹸すら残っていませんでした。

写真=iStock.com/miniseries
石鹸すら残っていなかった(※写真はイメージです)

とりあえず生活に必要なものをドラッグストアで買いそろえ、洗濯機はリサイクルショップで1万2000円のものを購入しました。

店舗つきの家屋だったので、1人で暮らすとものすごく虚しく感じました。

借金はどんどん膨らみ、銀行から借りた事業資金はもちろん、カードローンも限度額に近づいてきていました。

僕は不動産会社を通じて家を売り、残債と借金を完済し、近所のアパートに引っ越すことにしました。入居費用にお金を使ったため、無一文になっていました。

整骨院の送迎運転手の仕事を見つけ、働きました。勤務時間は8時から15時まで。しかし、働き始めてすぐ、先輩運転手から、金をやるから従業員同士のプライベートを探ってくれと院長に言われた、という相談がありました。

ほとんどの従業員が無資格で施術

僕は断れと言いましたが、その後も別の従業員が金庫泥棒の濡れ衣を着せられたり、気に入らない従業員を地方の分院に飛ばしたりと、かなりめちゃくちゃなワンマン経営でした。

しかも、この整骨院はほとんどの従業員が無資格で施術していました。20歳前後で、ちゃんと挨拶もできるし素直な若い子ばかりでしたが。

ここではとても働けないと思い、半年間でその整骨院を辞めることにしました。

今度は弁当の配達の委託の仕事を始めました。初日から配達に出ましたが、量が多く、捌ききれません。配達に慣れると食器洗いや弁当の盛り付け、便所掃除まで手伝わされ、休む暇もありません。

当初は1日2~3時間の仕事のはずでしたが、やってみるととことんこき使われて、クタクタです。体調を悪くし、3カ月で辞めることになりました。人に使われて仕事するのは大変だとつくづく思いました。