リセール可能なものは資産性を意識して買う
リセール可能なものとは、中古市場や転売市場が整備されていて、自分が使ったあと売却できるもののことです。
中古車や中古住宅などが典型例で、人気があるものなら高値で売却できますから、買うときの値段が高くても、最終的には安くつくというのはわかりやすいと思います。
たとえばマイホームを選ぶとき。貧しくなる人は、戦略的に(立地や将来の資産価値を考慮して)不動産を選ぶというよりも、自分の収入で買える価格帯から、その場所のその物件を選ぶ、という傾向があります。さらに新築信仰が強く、「新築だから買う」という判断をします。そのため、都心から遠く離れた郊外とか、最寄り駅からバスを使うなどの不便な場所の家を選んでしまいます。そして将来の資産価値は大きく下がり、仮に2500万円で買った家が30年後にはたとえば500万円になる、という事態になります。
一方で、ちょっと値段は高くても都心の便利な場所に買っていたらどうなるか。仮に買ったとき5000万円したとしても、30年後もほぼ同じ値段で売れれば、その30年間はほとんどタダで住めたことになります。しかも通勤通学にも便利。
これは車でも同じで、中古車の値段はオークション相場というのがあり、年式や走行距離によって買取価格はほぼ決まります。そのため、たいていの車の価値は、5年で半分くらいに下がってしまいます。
しかし、たとえばフェラーリなどの高級スポーツカーは中古車となってもあまり値段が下がらないことで有名です。生産台数が少なく良質な中古車があまり出回っていないためです。
また、トヨタのランドクルーザーといったSUVや、同じくアルファードなどの高級ミニバンは、中古になっても海外市場で高く売れるため、オークション相場とは別の価格形成がなされます。SUVは未整備な道路が多い中東やアフリカで人気ですし、高級ミニバンはアジアの都市部で送迎用として人気があります。
こうして最初の車両価格が高くても買取価格も下がりにくければ、こちらも安く乗れたことになる。しかもそうした車はたいてい高級車なので、所有している間は便利で快適という、ダブルでメリットを得られるわけです。
このほかにも、絵画や陶器といった希少性の高い芸術品、高級腕時計や高級ブランドバッグといった趣味性の強い商品、アンティーク家具など経年によって価値を増すものなど、見渡してみればたくさんあることに気がつきます。
上手なお金の使い方とは、単純に安い値段で買うということだけではなく、入口から出口までのトータルで考えることです。
つまりこうしたリセール市場のある商品は、資産性(換金価値)が高いものを意識して選ぶ、というのもひとつの考え方です。それは結果として良いものを選ぶことであり、快適性など満足度も高い買い物につながるでしょう。