韓国のウイスキー輸入額は過去最高額になった
ブームはアルコール飲料市場における勢力図まで変えている。ビール輸入額は2019年から4年間下り坂をたどっている反面、ウイスキーは2007年以降15年ぶりに最大輸入額を記録した。
韓国関税庁の輸出入貿易統計によると、今年5月ベースのウイスキー輸入量は昨年同期(9065トン)より56.3%増加して1万4169トンとなった。これは関連統計がある2000年以降の5月基準で過去最高だ。輸入額も過去最高水準に達している。今年5月基準で1億955万ドル(約1392億ウォン/約155億円)規模のウイスキーが輸入され、昨年同期(9779万ドル)より12.0%増加。これは1億2163万ドル分が輸入された2008年以来、15年ぶりの最大値となる。
「おじさんの酒」のイメージから脱却
過去、韓国に輸入されるウイスキーは高価なものがほとんどだった。その価格から主に営業や接待に利用される酒だったため、いわゆる「おじさんの酒」というイメージが強かった。それが最近のホームスルブームと若年層のハイボール人気によって「ヒップ」なイメージがかぶせられ、アルコール飲料市場の大勢として浮上したのだ。韓国の伝統酒メーカーはこの点に注目しているという。
「世界的にアルコール飲料市場はどんどん縮小している。ドイツでは多くのビール工場が閉鎖され、フランスではワインが余って処理に困る状況が続いている。新型コロナで飲酒文化が急変した韓国のアルコール飲料市場も危機に直面している。危機の打開策のひとつとして、伝統酒業界ではハイボールのように若年層の人気を得られる『ミクソロジー・レシピ』開発に力を入れている」(前出 イ・ボムヒョン室長)
ハイボールブームはいよいよ韓国の酒文化も変えつつあるようだ。