「シロアリ退治をしないで、今度は消費税を引き上げるんですか?」

「書いてあったことは4年間何にもやらないで、書いてないことは平気でやる。それではマニフェストを語る資格がないというふうにぜひみなさん思っていただきたいと思います」と自公政権を批判し、「消費税5%は12兆6000億円。消費税5%分のみなさんの税金に、天下り法人がぶら下がってる。シロアリがたかってるんです。それなのにシロアリ退治をしないで、今度は消費税を引き上げるんですか?」

写真=時事通信フォト
共同通信加盟社政治部長会議で講演する立憲民主党の野田佳彦元首相=2023年2月13日、東京都港区

「シロアリを退治して、天下り法人をなくして、天下りをなくす。そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしい。徹底して税金の無駄遣いをなくすのが民主党の考え方です」と述べている。

ほどなく消費税増税派に鞍替えした

ところが、その後、2009年9月に民主党政権が誕生し、鳩山由紀夫内閣が成立すると、野田氏は藤井裕久財務相の推挙により財務副大臣に就任し、ほどなく消費税増税派にくら替えした。

なぜ増税反対派の野田氏が、いきなり増税推進派に変わったのか。

財務官僚は「ご進講」あるいは「ご説明」と呼ぶザイム真理教の布教活動を熱心に行なっている。

対象はさまざまだが、特に強烈な布教の対象になるのが、権力の座についた政治家だ。

財務副大臣という地位になれば、財務省による布教活動は、朝から晩まで、連日行なわれる。

このマインドコントロールは、政治理念をも覆す力強さを持っている。

野田氏は、2010年6月に菅直人内閣が発足すると、財務副大臣から昇格する形で財務大臣に就任した。このころには、野田氏はザイム真理教の信者を通り越して、実質的な教団幹部に変貌へんぼうしていた。