要介護への悪循環「フレイルサイクル」

60代、70代で低栄養の状態を続けていると、さらに歳をとったときが心配です。というのも、もう少し高齢になると、誰でも気力や体力が衰えてくるからです。

外出の機会や社会的な交流が減ったり、活動量が低下したりするので、エネルギーの消費量が少なくなり、食欲が低下し食べる量が減ることがあります。

その結果、筋力や筋肉量が減る「サルコペニア」になりやすくなります。

そうなるとさらに外出しなくなり、社会的な交流や活動量が低下し、エネルギーの消費量が少なくなり……という悪循環へと陥ります。

これが「フレイルサイクル」と呼ばれる状態で、フレイル(虚弱さ)が負のスパイラルとなって、要介護の状態へと向かってしまうのです。

写真=iStock.com/Inside Creative House
要介護への悪循環「フレイルサイクル」(※写真はイメージです)

我慢や努力は長生きにつながらない

「やせなくてはいけない」という強迫観念がストレスになっている人もいます。

ストレスは免疫機能を低下させる要因ですから、健康には大きなマイナスとなってしまいます。

健康への意識は高いのに、そうして老化が進んでしまう残念な人は少なくありません。

私個人としては、そうした我慢や努力が長生きにつながるかどうか、怪しいものだと考えています。

前回の記事でも述べたように、日本人の死因トップはガンです。

ガン予防にもっとも大切なことは、免疫機能の維持です。ガン細胞を含め、出来損ないの細胞を排除するのは免疫機能だからです。